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先日は,ごくごく一部のマニア中のマニアの間で盛り上がっている(外国)債券不要論について,私自身のインデックス投資において(外国)債券への投資はいらないという話をしました。(私の分散投資に(外国)債券インデックスファンドは不要)

今回は一般的にはどうしたらよいと私が考えているかを書きます。

「不要」をどういう意味でとらえるかですが,そもそも外国債券が,”必要”か”不要”かという議論がちょっと違うと思っています。
投資する必要があるか,投資しないべきかみたいな話は両極端で「投資してもしなくてもいいじゃね?そこは好みの問題じゃね?」くらいの中間でいいというのが私の印象です。

■債券に投資していい理由1:適切なリスクの下げ方は決まっていない

先日の私の分散投資に(外国)債券インデックスファンドは不要の中で私は以下のように書きました。

わざわざリスク資産に投資して,その中でリスクの低いものに投資するのであれば,最初から投資額を減らしておけばいいのではないでしょうか。

ようするにリスクを下げる方法は1つではないと思うのです。株式や債券などのリスク資産の期待リターンやリスクというのも,あくまでそれでだいたいの説明がつきそうな超簡便モデルを使ってそれっぽい数字を当てはめた結果の数字にすぎません。

その数字とモデルから導き出される数字が絶対的な正解ということはないでしょう。投資額を下げた株式100%と株式・債券分散投資でどちらが有利になるかシミュレーションができますが,これも前提に置くモデルや数字で結果が入れ替わりそうといった微妙な違いです。

機関投資家となれば,それでもその違いを何らかの前提条件を置いて説明できなければいけないので必死に計算するのかもしれませんが,個人投資家がそれをやる必要はありません。
どっちでも好きな方でリスクを下げればいいんじゃないでしょうか。

■債券に投資してもいい理由2:債券にも投資していることで得られる安心感

気安めです。
「投資額を減らした株式100%」「株式と債券へ分散」といった時に前者だと何となく不安になる人も結構いると思います。、
シミュレーション上はほぼ同じようなものだとか言われてもやっぱり「株式=怖い,債券=安心」みたいな感覚はあるでしょう。

このような非合理的な感覚をプロの立場から一笑することは簡単ですが,それはあまり意味がありません。一般人にとってそこまで達観するのは簡単ではなく,達観しなければ投資できないとなれば,投資できる人は一握りの人だけになってしまいます。
多少の気休めで非合理的な要素があっても,投資しないよりは有利な状況にいられればOKだと思うので,こんな安心感もありです。


■でも外国債券に投資する場合にちょっと注意:為替リスクを甘くみない

一般的に値動きの違うものに分散投資をするとリスクは下がります。
しかし,リスクが大きい割に期待リターンが小さいアセットを追加すると全体の期待リターンを押し下げるくせにリスクは下がらない(もしくは上がる)ということもありえます。

仮に値動きで株式や債券と相関がほとんどない「期待リターン0.5%,リスク100%」というアセットXがあったら追加すべきか?仮に5資産分散にしてこれをアセットの20%に組み込むと,16%近い確率でアセットクラスXは吹き飛びます。むしろリスクを増大させます。

さて,こんなアホみたいな仮定ではなく,外国債券アセットの話をします。
債券は,基本的に同じような信用度であれば,A国の債券を買ってもB国の債券を買っても期待リターンは同じはずです。(同リスクなのにA国の債券の期待リターンが高いとわかっていればみんながそれを買って債券価格が上がって、リターンが下がるはず)

つまり,外国債券は期待リターンで考えると国内債券と同じです。(運用してみたら,結果として10年後にどっちかが大きく勝っていたということはありえますが,それは三井住友とみずほの株で10年後のリターンが違うというのと同じようなものです。期待リターンと実現リターンは別)

国内債券より期待リターンが高いわけではない外国債券ですが,為替の影響でリスクはかなり大きくなります。しかも,外国株式にも投資しているとなると為替部分では完全に連動するので,リスク低減効果があまり期待できません。
外国株式と外国債券だらけとなると為替リスクが結構大きくなるので,注意が必要でしょう。




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