
先日,DMM亀山会長へのインタビュー記事がR25に掲載されました。若者は資産運用なんてやらずに稼ぐ力を身につけろといった趣旨の内容でした。
「25歳で資産運用? 眠たいこと言うなよ」DMM亀山会長から若者へのお金のアドバイス
若いうちから資産運用なんてありえないよね。
だって、自分で仕事やったほうが稼げるじゃない。
株とか通貨のチャートを見て日々の上げ下げで時間使うくらいなら、稼ぐ力をつけるための勉強をしたほうがよっぽど価値がある。
何億も動かしてるプロの人たちとは勉強量が違うからね。
普通の仕事は、自分が頑張ったら得をすることはあっても損をすることはないけど、資産運用は勝つか負けるかの世界。
どんなに頑張っても、自分より上手(うわて)がいれば損するから。
一番最後の下線部が特徴的ですが、亀山氏にとって資産運用は他の資産運用者との資金の分捕りあいといった認識のようです。そして勝つためには多くの勉強が必要という認識です。
機関投資家の間ではパッシブ投資(インデックス投資)は主流で,少しはリテールの世界でも広まりつつありますが,まだ世間一般となるとこういう認識が結構強いんでしょうね。
今回はDMM亀山会長のこのインタビューが目についたので取り上げましたが,亀山氏に限らずこのような認識のことを言われる人は結構います。
低コスト国際分散投資であれば「資産運用か,自己投資か」という二者択一にはなりません。亀山氏の考えだと毎日の時間をチャートを見るのに使うのか,仕事で稼ぐための勉強に使うのかとなっていますが,インデック投資の世界では別にチャートを見るための時間なんて不要です。資産運用に使う時間は10分/月程度で済むでしょうし,それ以下でも十分です。自己研鑽の邪魔にはならずに両立可能です。
そして,インデックスファンドを通じて分散投資していれば特に勝った負けたは関係ありません。アクティブ投資家同士であれば,空売りで負けた人がいれば,その反対側には儲けた人がいるといったように資金の分捕りあいをやっているかもしれませんが,インデックス投資は別物です。
「資産運用か仕事かという二者択一?眠いこと言うなよ。」
若者は資産運用も自分で稼ぐことも両立できます。
そして,インデックスファンドを通じて分散投資していれば特に勝った負けたは関係ありません。アクティブ投資家同士であれば,空売りで負けた人がいれば,その反対側には儲けた人がいるといったように資金の分捕りあいをやっているかもしれませんが,インデックス投資は別物です。
「資産運用か仕事かという二者択一?眠いこと言うなよ。」
若者は資産運用も自分で稼ぐことも両立できます。
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投資にせよビジネスにせよ、限られたパイをみんなで奪い合う行為だという理解は、われわれの意識に深く根ざしたもののように思います。おそらくは生き物を捕まえて食べていた原始時代にさかのぼるのではないでしょうか。
亀山という人のことは知りませんでしたが、どうやら、そうした生存競争の勝ち組に属する人のようですので、そうした理解から他人にアドバイスをするのは無理からぬところがあるように思います。インタビューをする人も「どうすれば、あなたのようになれるのですか」という質問をしているのでしょうから。
それとは違った仕方で物事を眺めることのできる人たちが増えつつあるのだとすれば、世の中まだまだ捨てたもんじゃないかもしれません。