世間では確定拠出年金というと個人型のiDeCoが盛り上がっているところでもありますが,企業型確定拠出年金も動きがあります。2018年5月1日から確定拠出年金制度等の一部を改正する法律が施行されました。
企業型確定拠出年金にかかわることとしては,いくつか変更がありますが,私が気になる点は以下でしょうか。
●簡易企業型年金の創設
●投資教育の実施を配慮義務から努力義務へ
●運用本数の上限を35本と制限
●2/3の同意で商品除外できる
特に「2/3の同意で商品除外できる」という点に注目しています。
従来は実質的に運用商品を除外できなかった
従来でも運用商品を除外することはできましたが,その商品に拠出している人の全員の同意が必要ということで実質的に不可能と言えました。そのため,制度開始から時間がたって,現在採用している商品よりもよい類似商品が出てきてもそれを追加することがなかなかできませんでした。
SBI証券や楽天証券が投資信託をどんどん追加するように新規商品を気にせずに追加すればいいという声もあるでしょうが,そうなると拠出者が何を選んでいいのかわからなくなるので簡単ではなかったでしょう。
このように除外が難しいと商品の入れ替えもできずに,古くに始まった確定拠出年金の商品ラインナップは時代遅れになっていました。
激安だった0.25%,今はもう…
私の今加入している確定拠出年金は12年前に加入しましたが,主要アセットのインデックスファンドの信託報酬がだいたい0.25%です(後から追加になった新興国株はもっと高い)。2008年ごろにSTAMやeMAXISが出たころだと,日本株0.4%,外国株0.6%あたりが一般の投資信託の最低水準だったので.0.25%という信託報酬水準がお得だった時代がありました。
しかし,今はeMAXIS Slim,ニッセイの購入・換金手数料無料,iFree,たわらなどが登場し,0.25%は決して信託報酬が低いとは言えなくなってしまいました。
アクティブファンドについても,人気のひふみなどは取り扱っていませんし,入っているアクティブファンドも,なぜその1本が選ばれているのかがよく分からないものだったりします。。
いよいよリニューアルのタイミング
そんな時代遅れになっていた商品ラインナップですが,今回の制度改定によって動き出します。うちの会社でも,どのような商品ラインナップがいいかというアンケートが実施されました。また,社員説明会も予定されており,その中で商品の変更や法改正への対応といったことが説明されそうです。
どんな対応になるのかまだわかりませんが,期待しています。
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