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先月あたりから,少し株式指数の値動きが荒くなっています。

2月6日に日経平均は前日比で1047円の下落(-4.7%) ということがありました。最安値の時には1600円を超す下落だったようで一日の値動きとしては大きな値幅になります。
※参考:日本株1年超ぶり急落、米国暴落嫌気し全業種安い−値下がり2000超す (Bloomberg)

値下がり率でも見ても日次の値下がりでは大きい値下がりでしょう。 当然日経平均がこれだけ下げる中TOPIXやマザーズの株が逆行高ということはなく,これらの指数も値下がりしました。

同じ株式指数に投資をしている投資家であれば,同じような株式市場の値動きの影響を受けているはずです。しかし、投資スタイルによって見えてくる世界は違います。
ロングとショートでは利益・損失が逆になるのは当然ですが,同じロングでも投資期間によって見えてくる世界は違います。

短期投資家と長期投資家では見ているチャートが違う

同じ日経平均に対してロングで投資をしていたとしても,デイトレーダーのような短期投資家と長期投資家では違うチャートを見ています。

デイトレーダーであれば,分足,5分足,1時間足などで値動きを見ているわけで,まさに2月6日のような相場の場合には非常に激しい大きな値動きがあったことになります。

一方,「企業型確定拠出年金でとりあえず日経平均連動の投資信託買ったけど,確定拠出年金HPのログインID/パスワード忘れちゃったよ…」なんて人にとっては,こんな日次の値動きは見えてきません。このような人にとっては,年に一度の確定拠出年金の運用報告書の内容で比較となるので,日次の値動きどころか月次の値動きすらよくわかっていないということになります。

このような気絶投資家ほどではなくても,10年や20年保有で長期投資などを標榜している人たちは10年や30年といった期間のチャートを見ています。そのようなチャートの場合,月次リターンをプロットして作ったグラフなどになってしまい、仮にある1日で大きく値動きがあっても,他の何十日の値動きの中に埋もれてしまいます。

また,仮に以下のような値動きがあったとき,月次リターンとしては1月も2月も±0なので、非常に平和だった2か月となります。(これが,半月ずれていたら頂点から谷底への値動きで月次リターンとしては大きな値動きになるのですが……)

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ある1日に比較的大きな株価の下落があった場合,短い時間軸を見ている人は「暴落」などと言っているのに,長期投資家からは「その程度は暴落じゃない」という声が聞こえたりします。
これは長期投資家は長期の値動きを見ているので-20%や-30%といった数字で暴落と考えているので,例え1日で-4%や-5%という瞬間最大風速が強くても一桁パーセントの値動きは大したものじゃないからでしょう。

これはどっちがいい悪いというのではなく,投資スタイルの違いですので,致し方ないものです。
短期のトレーダーが10年チャートで見たら大したことないといって日次での暴落・暴騰を見ないふりしたらダメですし,長期投資家が日次の暴落・暴騰に一喜一憂するのも変な話,ということです。




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