仮想通貨はその値動きの激しさから「大儲けした」という話もあれば,「あっという間に全財産を失った」という話もあります。
しかし,あっという間に資産が無くなるのは仮想通貨だけではありません。東証に上場されている銘柄でもあっという間に資産が無くなりえます。それも個別の会社でいきなり倒産というのではなくETNでの話です。
NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETF (2049) が2月5日に前日比-96.11%という大暴落しました。
なお,このETNは「S&P500 VIX短期先物インバース日次指数(終値を含むすべての値)が前日終値の20%に相当するまたはこれを下回った場合、早期償還額の支払をすることにより、本ETN/JDRの信託財産である外国指標連動証券は償還されます。」というルールになっていたようで,S&P500 VIX インハ゛ースETN(銘柄コート゛:2049)の早期償還の決定に関するお知らせとあるように早期償還となってしまいました。
つまり,ある日にS&P500 VIX短期先物指数が5%上がれば2049は5%下がる,S&P500 VIX短期先物指数が10%下がれば2049は10%上がる,という動きです。
取引停止から早期償還となってしまったので2月6日時点の価格は各種チャートには出てきませんが,NEXT NOTESを出している野村のサイトを見るとヒストリカルデータというExcelがありました。これを見ると,「2月2日:29,416 ⇒ 2月5日:1,144」という96.11%の下落というデータがあります。
結局償還金額は,この1,144円で償還に決定ということです。東証が閉まっていて取引できない時間に4%以下になってしまうというのは恐ろしいことです。
一般的には分散がされているという投資信託・ETF・ETNですが,その投資対象によってはこんなことが起こり得るという良い事例です。
なんでこんなことになったの?
2049は「S&P500 VIX短期先物インバース日時指数」に連動する商品であり,「S&P500 VIX短期先物インバース日次指数は,S&P500 VIX短期先物指数の前日比変動率(%)の-1倍の変動をします。つまり,ある日にS&P500 VIX短期先物指数が5%上がれば2049は5%下がる,S&P500 VIX短期先物指数が10%下がれば2049は10%上がる,という動きです。
VIX短期先物指数が1日で+96.11%の急上昇
そんな中,2月5日にS&P500が-113.19ポイント(-4.10%)値下がりしたためにVIX短期先物指数が96.11%を超える急騰にあい,それに-1倍を掛けたインバース指数は見事に1日でやられてしまいました。取引停止から早期償還となってしまったので2月6日時点の価格は各種チャートには出てきませんが,NEXT NOTESを出している野村のサイトを見るとヒストリカルデータというExcelがありました。これを見ると,「2月2日:29,416 ⇒ 2月5日:1,144」という96.11%の下落というデータがあります。
結局償還金額は,この1,144円で償還に決定ということです。東証が閉まっていて取引できない時間に4%以下になってしまうというのは恐ろしいことです。
一般的には分散がされているという投資信託・ETF・ETNですが,その投資対象によってはこんなことが起こり得るという良い事例です。
【関連コンテンツ】
もちろんETFであってもそのファンドに償還条項があれば同様だということかもしれませんが、それは屁理屈です。