iDeCoにつみたてNISAと長期投資を優遇する制度が出揃う
個人型確定拠出年金は以前からありましたが,今年から制度拡充とともにiDeCoという愛称もつきました。2017年が個人型確定拠出年金の第二のスタートと言ってもよいでしょう。
また、先んじてNISAも始まっていましたが,2018年からつみたてNISAが始まります。金融庁が個人投資家向けに小規模な説明会も行ったりとそれなりに気合が入っているようです。
従来NISAでは最大5年間だった非課税運用枠(ロールオーバー除く)が、つみたてNISAでは20年と一気に4倍に延長されます。従来NISAの5年は短期ではありませんが,「長期」というにはちょっとビミョーという期間でしたが,20年なら長期と言っていいでしょう。
iDeCoもつみたてNISAも「長期で資産を積み上げていく投資において,その運用益を非課税にしますよ。」といった長期投資による資産形成を目的としたような制度です。
また,制度面以外でも長期投資の環境が整ってきています。
長期投資向けの低信託報酬のインデックスファンドも充実してきた
さて国(金融庁?)が長期投資向けの制度を用意する一方で,長期投資向けの商品も充実してきました。手軽にインデックス投資をできる環境になったものです
私が本格的に国際分散投資を考えてやりだしたのは2007年ですが (インデックスファンドでの国際分散投資を始めたのは2002年ですが,その時はインデックス投資とか国際分散投資とかは知らずに勝手にやっていた),その当時はまだ低信託報酬のファンドで国際分散投資をすることができませんでした。
先進国株式インデックスファンドで信託報酬が0.8%のPRUマーケットパフォーマーが安く見えた時代ですし、新興国株式インデックスファンドは存在すらしていませんでした。
それが,STAMやeMAXISの登場に始まり,今ではニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズやたわらシリーズなど低信託報酬のインデックスファンドが充実しました。コモディティ,フロンティア…などマニアックな商品はまだ拡充の余地がありますが,基本的な部分は出揃っていると考えていいでしょう。
2018年が長期分散投資環境のバージョン1リリース?
iDeCoにつみたてNISAという制度が揃いました。低信託報酬のファンドも揃いました。さて,こうなってくるとさらなる国際分散投資での進歩はあるのでしょうか?もう少し信託報酬が下がる,フロンティア株式インデックスファンドが出てくる,iDeCoの投資上限額変更,つみたてNISAの恒久化,などいくつかマイナーチェンジはありそうですが,大きな変更はなさそうな気がします。(スマートベータなどはちょっと別枠?)
今まで長期分散投資環境をよくするためにいろいろな話がありましたが,とりあえずは長期分散投資バージョン1の完成とでも呼んでも良さそうな気がします。
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一つお尋ねしたく。
確定拠出年金は税制上の優遇措置がある、
というのはよく聞くのですが、
実際には国民年金基金連合会に払う事務手数料だったり、
資産管理手数料、給付事務手数料みたいなものが
上乗せされてきます。
この辺を踏まえても、確定拠出年金は有利ということで良いのでしょうか?
かなり持っていかれるような印象も受けるのですが。