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「新卒社員の3割が3年で辞める」はなぜ30年間変わらないのか (Diamond Online)
せっかく採用した新入社員(大卒者)の3割が3年で辞めているという事実がある。人材不足の状況にあって、どうしてこのような「ミスマッチ」が起きているのだろうか。
「新卒3年目までの離職率」がバブル時代から現在まで変わらないという事実は、入社した企業が構造的な問題を抱えていること、また、採用選考のあり方に問題があることも同時に示している。なぜこのような採用の「ミスマッチ」が起きてしまうのだろうか。

「新卒の3割が3年で辞める」

よく言われる言葉です。そして,大抵においてこれはネガティブな意味を含みます。しかし,本当にそうでしょうか?

そもそも転職は悪いことではない

まず大前提として,労働者の立場から考えると,新卒に限らず今の環境よりもいいと思える環境 (給与が多い、やりたいことができる、地元に帰れる、等々) で仕事が見つかれば,そこに移るのは極めて健全なことです。
新卒社員など,実際の職務経験もなく,社会人になってみてからやりたいことが見つかるというのは別におかしいことじゃないでしょう。
これをミスマッチとして指摘する声もありますが,そもそも本人ですら何をやりたいのか,何が向いているのかわからないような人が多い中でその人の天職を与えよというのが無理な話です。

新卒の0割が3年で辞める社会はむしろ怖い

辞めることが問題として辞めない方が良いのかというと,そんな社会は気持ち悪い、もしくは怖い。人のやりたいことは変わります。ある人生経験をして視野が広くなってやりたいことが変わったりもします。本人ですら明日の自分の志向は保証できません。
そんな人間が構成する社会において離職する人がいないとなると,何らかの強制する力によって縛り付けられているのか洗脳されているのかという話です。

新卒の企業規模別退職率を見ても健全性が伺える

紹介した記事では企業の規模別の新卒3年目までの離職率も出しています。
この中では,社員5人未満の企業で59.0%に始まり,1000人以上の会社で23.6%まで企業規模別の離職率の数字があり,規模が大きいほど離職率が下がっています。これこそまさに健全性を表しているのではないでしょうか。
すべての企業に当てはまるわけではありませんが、一般的な傾向としては、企業規模が大きい方が給与が高かったり福利厚生が充実しています。つまり,条件が悪い会社ほど離職率が高く,条件がいい会社ほど離職率が低いという傾向が見て取れます。
これは個々の労働者の自由意志がしっかりと反映されているようにみえる動きであり,健全性の証左ではないでしょうか。


企業を辞められて困るだとかミスマッチだとか言うのではなく,辞められないような報酬ややりがいを提供できるほどしっかりと利益を上げることが大事でしょう。また,辞められてもすぐに補充できるなど,辞められても困らないような仕組みづくりも重要でしょう。


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