
長期の積立投資を始めようとした時,今が投資の始め時なのか?という話がされることがあります。
例えば,今は日経平均7000円位から一気に駆け上がってきています。期間にしても長い間上昇相場が続いています。そろそろ暴落が来てもいいのではないかという声も聞こえてきます。
さて,では長期の積立投資をしようと考えていた場合,どうすべきなのでしょうか?
積立投資開始時の高値/安値のタイミングはほとんど影響ないから考えなくていいのです。
積立当初の高値/安値は投資成績にほとんど影響なし
■損益率は大きいかもしれない

このグラフは私が資産運用報告の時にブログに載せている損益率のグラフです。投資開始から1年少し先に底があり,ピークは-50%を超えました。そして,今はその逆に+50%を少し超えています。
■-50%以上の損失が出ている時の損失額は?

これは金額のグラフです。黄緑の線が損益額でここに注目です。
2007年から2011年ころまでほとんど動きがなくヨコヨコで動いているように見えませんか?
黄緑の線だけ見ていると一番損失率が酷かったのがいつかよくわからないくらいです。
■金額が増えてくる後半の値動きほど重要
これは少し考えれば当たり前の話です。コツコツ積立投資をしていくのであれば,最初の頃は投資元本も小さくなります。だから多少値動きがあっても金額で観ると大したことはありません。
100万円の投資額の-10%なら10万円の損失です。しかし,これが10年もたって積み上がって1000万円になった時には1%の値動きでも10万円の損失になります。さらに年月が過ぎて資産が積み上がって2000万円になれば0.5%で10万円です。
つまり,20年や30年といった長期の積立投資を想定しているのであれば,最初の頃の損失は全体から見れば大したことがありません。
大事なのは資金が積み上がったところでの値動き
言ってしまえば,資産が積み上がった時の値動きが非常に重要ということです。5000万円積み上がったところでアベノミクスで2倍になれば1億円です。リーマンショックが来れば2500万円です。そのギャップは7500万円と非常に大きい。大事なことなので繰り返しますが,資金が積み上がった時の値動きが非常に重要です。
投資開始時点で,資産積み上がり時が高値か安値かは予測不可能
相場は読めないともいいますが,特に今から30年後が高値圏か安値圏かを理を持って予想するのは無理です。26年後が底で30年後には高値圏かもしれませんし,27年後がピークで30年後が底かもしれません。これが読めるなら終わりから逆算して投資の始め時を選んでいいのかもしれませんが,予測不可能であれば投資判断には使えません。
- 積立投資開始時の値動きの影響は非常に小さい
- 影響が大きいのは投資終盤での値動き
- 投資終盤での値動きは現時点では予測不可能
【関連コンテンツ】

それは結局、出口戦略の重要性というか、売り時が難しいという投資一般と共通する話ですね。
インデックス投資は、始める段階、積立段階では慎ましいというか、賭博性が低いというか、堅実なんです。
出口戦略でも少しずつ売るという話もあるんですが、答えがない。
答えがないというか、インデックス投資も投資であり、賭博性の呪縛からは逃れられない。
一定程度の積立後に、アベノミクスのような大相場に出くわし、
十分な老後資金に至ったら、一挙に売却して投資から手を引く、
売り逃げ戦略なんていうのも有りかも知れない。