アップルといえば,多くの現金を保有しているキャッシュリッチな企業です。
- 参考: アップルの現金保有は23兆円 米IT、現金にこだわり (朝日新聞デジタル 2016/5/25)
- ※参考: 米アップルが半年ぶりに起債へ−自社株買いや設備投資の資金に充当 (Bloomberg)
また,上記2つの記事はアップルに注目した記事ですが,その記事の中ではマイクロソフトについても触れられており,マイクロソフトも1030億ドル(11兆3300億円)の現金を持っていて,170億ドルの社債を発行するとのことです。
なぜ,大量の現金を持っている企業が社債を発行して現金を集めるでしょう?
海外で稼いだお金をアメリカへ送金してしまうと多額の税金を引かれてしまう
手持ち現金を使わずに社債で資金を集めるのは税金の影響です。外国で稼いだお金をアメリカ国内に持ってくると35%の税金を取られます。単純計算すると海外で稼いだ10兆円をアメリカに戻すと3.5兆円取られてしまいます。アップルやマイクロソフトは海外でiPhoneやWindowsをたくさん売って稼いでいるので,アメリカ国外で持っている現金が多い。税金で35%取られて手持ち現金を使うくらいなら,多少の金利を払っても社債で資金を集めた方が効率的ということでしょう。
なお,このブログでも2010年に同じネタを書いています。
- マイクロソフトが23%増配、自社株買い、60億ドルの債券発行を承認 (2010年9月23日)
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