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インデックス投資とはどのような投資方法か?
明確に定義が定まっているようで定まっていないものでもあります。

Googleで「インデックス投資とは」というキーワードで検索してみたところ,一番最初にわたしのインデックスが以下のように出てきました。この中ではインデックス投資を端的にまとめると以下のように説明しています。

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インデックス投資とは、日経平均やTOPIX、S&P500、ダウ平均のような株価指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法のことです。

それっぽい説明ですが,これは「インデックス運用」の説明で,「インデックス投資」とは少し違うでしょう。

それでは,どのようにインデックス投資を定義すればいいのでしょう。以下に私の考え方を書きます。

私の考えるインデックス投資の定義

先に私の考えるインデックス投資の説明を端的に書いておくと,インデックス投資とは,1つもしくは複数のインデックスファンドを使って幅広く分散投資し,保有比率を決めて長期的に保有し,そのインデックスファンド(ズ)の値動きの成果に身を委ねる投資方法です。

先に紹介したわたしのインデックスにあるような説明は,個人のインデックス投資には馴染みません。

例えば,「TOPIXに連動を目指すインデックスファンド」と「先進国株式 (MSCI Kokuasi) に連動を目指すインデックスファンド」を50%ずつ保有して投資するような場合,「TOPIX 50%, MSCI 50%」というインデックスは存在しないため,先の定義ではインデックス投資ではないとなります。

また,セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドiFree 8資産バランスといったバランスファンドはインデックスファンドを合成して作成されていますが,その総体であるセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドiFree 8資産バランスに連動するインデックスはありません。

わたしのインデックスにあるような説明は,個別のインデックスファンドの運用の説明になります。

インデックス投資をもっと具体的に説明すると?

定義だけではよく分からないこともあると思うので,少し具体的に説明します。

インデックスファンドを使って「広く分散」とは?

世界で一番有名なインデックスはダウ30でしょうか。これはアメリカの代表的企業30社で構成される株式指数です。このインデックスファンドを保有するだけでは,アメリカの大企業30社だけへの投資ですので「広く分散」とは言えません。
「広く分散」と言うからには複数の国への投資は最低条件でしょう。それも2国や3国ではなく,2桁くらいの国へ分散されてこそ「広く分散」でしょうか。
また,トータルの銘柄数にしても数十ではなく、数百〜という数字は欲しいところです。

ですので,TOPIX(日本株)+MSCI Kokusai (先進国22カ国の株式)くらいになれば,「広く分散」と言えるのはないでしょうか。更に分散を進めて,ここにMSCI Emerging (新興国株式)を含めてもいいですし,株式だけではなく,債券やREITなど他アセットのインデックスファンドへ分散投資してもよいでしょう。

「保有比率を決めて長期的に保有」とは?

先に紹介したバランスファンドやバンガード・トータル・ワールド・ストック (VT)のように1つの投資信託(ETF)で十分に分散できており,国別や株式/債券の比率などが決まっているものもあります。
しかし,自分で複数のインデックスファンドを保有するとした場合,その比率が重要になります。
仮に「TOPIX」と「MSCI Kokusai」と「MSCI Emerging」に投資するにしてもどれにいくら投資するかで全く違ったものになります。
  1. TOPIX : MSCI Kokusai : MSCI Emerging = 98:1:1
  2. TOPIX : MSCI Kokusai : MSCI Emerging = 1:1:1
  3. TOPIX : MSCI Kokusai : MSCI Emerging = 1:5:4

私の場合,TOPIX : MSCI Kokusai : MSCI Emerging = 3:4:3と決めました。(私のシンプルな投資スタイル 〜 だいたい3:4:3)
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※上記の精密パイチャートはペイントを使ってマウスで描画


さて,次は「長期的に保有」です。
インデックスファンドやETFを使って投資するとしても,相場の値動きを見て短期的に売買するのはインデックス投資になりません。それはインデックス投資を個別銘柄のように扱うアクティブ投資となります。
インデックス投資では,原則としてインデックスファンドを保有し続けます。

なお,「原則として」と書いたように,必ずしも売らないということではありません。
運用でより儲ける/損しないために相場を読んで一度現金比率を増やしたり,どこかの国が好調と読んでその国の比率を増やしたり…といったような資産運用の中で運用のための売買をしないということです。
以下は一例ですが,売却が伴うケースは多々あります。
  • 比率を一定に保つためにリバランスする(比率が増えすぎたものを売って,下がりすぎたものを買う)
  • 老後になって年金収入では足りないので,運用資金から取り崩す
  • 急遽まとまった資金が必要になって運用資産の一部を取り崩す
  • 信託報酬が安いなど,より適切な商品が出たために旧商品を売却する

ファンダメンタルインデックスなど昨今の複雑なインデックスは悩ましいところ

最後におまけです。最近はファンドメンタルインデックスなど,複雑なインデックスが登場してきています。現在,ファンド運用においてAIなどが計算して投資しているファンドもありますが,仮にそれをインデックス化とされた場合,それに投資することはインデックス投資といえるのか?
対象となるインデックスがあるといっても,インデックス投資で意味しているインデックスの範囲がどこまでかは悩ましいところです。



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