すでにいくつかのブログでも取り上げられていますが,大和証券投資信託委託からiFreeの名を冠したインデックスファンドが12本登場します。9月8日から設定されるようです。
業界関係者や報道などはわかりませんが,投資ブロガーで一番最初にこれを取り上げたのは,大和証券投資信託委託が超低コストインデックスファンド「iFree」シリーズ12本を設定 (バリュートラスト) だと思います。私もここで知りました。
大和証券投資信託委託も新しいインデックスファンド・シリーズ「iFree」というリリースアナウンスを出しており,その中で以下のように書いています。
当社はインターネットを通じてお取引される投資者の皆さま向けに、低コストでさまざまな投資ニーズにお応えするインデックスファンド・シリーズとして「iFree」(アイフリー)を新たに設定します。
これから資産運⽤を始められる⽅にも、既に運⽤されている⽅にも、幅広く多くの⽅々にご利⽤いただけますよう、パソコンだけでなくスマートフォンからでも⾒やすい専⽤サイトや、投資の⼿助けとなる様々なツールをご⽤意する予定です。
- iFree 日経225インデックス (日経平均株価連動 / 信託報酬 0.19%)
- iFree TOPIXインデックス (TOPIX連動 / 信託報酬 0.19%)
- iFree JPX日経400インデックス (JPX日経インデックス400連動 / 信託報酬 0.205%)
- iFree 外国株式インデックス (MSCI Kokusai連動 / 信託報酬 0.21%)
- iFree NYダウインデックス (ダウ・ジョーンズ工業株価平均連動 / 信託報酬 0.225%)
- iFree 新興国株式インデックス (FTSE RAFI エマージング インデックス連動 / 信託報酬 0.34%)
- iFree 日本債券インデックス (NOMURA-BPI総合指数連動 / 信託報酬 0.22%*)
- iFree 外国債券インデックス (シティ世界国債インデックス(除く日本)連動 / 信託報酬 0.18%)
- iFree 新興国債券インデックス (JPモルガン ガバメント・ボンド・インデックス−エマージング・マーケッツ グローバル ダイバーシファイド連動 / 信託報酬 0.22%)
- iFree J-REITインデックス (東証REIT指数(配当込み)連動 / 信託報酬 0.29%)
- iFree 外国REITインデックス (S&P先進国REIT指数(除く日本)連動 / 信託報酬 0.31%)
- iFree 8資産バランス(信託報酬 0.23%)
※信託報酬はすべて税抜き
たわら・ニッセイよりも低い信託報酬
すでにかなりの低信託報酬と言えるたわらノーロードやニッセイの<購入・換金手数料なし>よりも安い信託報酬の設定となっています。8資産バランスの0.23%というのも非常に低い水準です。ここまで低いとステート・ストリートのがっかりパターン (ステート・ストリートから低信託報酬の主要インデックスファンドが8本登場。しかし、「DIAMのパッシブファンド」パターンが頭をよぎる) を恐れましたが,アナウンスを見る限りは普通にSBI証券と楽天証券で購入できそうです。
国債利回りで信託報酬が変わるiFree 国内債券インデックス
iFree 国内債券インデックスでは信託報酬が新発10年国債の利回りによって変動します。- 1%未満の場合0.14%
- 1%以上の場合0.22%
新興国株式はファンダメンタル・インデックスで,対象国は13か国
iFree 新興国株式インデックスは0.34%という信託報酬ですが,これは単純に他の新興国株式インデックスファンドと比較できません。■一般的な新興国インデックスファンドは時価総額型,iFreeはファンダメンタルインデックス
他の新興国株式インデックスファンドは大抵,典型的な時価総額型のインデックスであるMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークにしています。一方,iFree 新興国株式インデックスはRAFI エマージング インデックス(RAFI = Research Affiliates' Fundamental Index)をベンチマークとしており,その名の通りファンダメンタルインデックスへの連動を目指します。
■MSCI 23か国 vs. RAFI 13か国
「時価総額型のパッシブ」と「ファンダメンタルインデックス」だけでなく,投資対象国も違います。MSCI エマージング・マーケット・インデックスは現時点で以下の23か国です。
(https://www.msci.com/emerging-marketsより)
一方,RAFI エマージング インデックスは現時点で13か国です。(以下の表はFTSE Emerging Indexとの比較なのでRAFIは左側)
(FTSE RAFI? Emerging Index Fact Sheetより)
■実質コストは高いかも……
ファンダメンタルインデックスとなると,時価総額型インデックスと比較して売買が高頻度になるので実質コストは気になります。iFree 新興国株式インデックスが採用しているのと同じダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックス・マザーファンドに投資している投資信託であるダイワインデックスセレクト新興国株式の運用報告書(全体版) 第2期を見てみます。これによると,信託報酬0.646%に対し,その他の費用が0.563%となっています。信託報酬はベビーファンドごとの設定なので,iFree 新興国株式インデックスの0.367%(税込み)で置き換えてみると,実質コストは0.9%程度が予想されます。十分に安い水準ですが,表面上の信託報酬の低さのインパクトに比べると少し残念な数字です。
これはあくまで私の試算ですが,実際にはどうなるでしょうか。
連動対象指数は配当込みか,配当抜きか
なお,私は「配当なし指数を連動対象として掲げているインデックスファンドに投資しない」と言っているので,株式に投資するファンドの場合に配当込み/抜きが気になるところです。EDINET及び大和証券投資信託委託の記載を見た限りでは配当込み/配当抜きの記述はないので確実なことは言えません。
ただし,すでに運用をしている同じ指数/マザーファンドを使っているファンドの運用報告書を見ると,以下のようになるでしょうか。
- 配当抜き: TOPIX / 日経平均 / JPX日経400 / MSCI Kokusai
- 配当込み: RAFIエマージング
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