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先日開催され、私も登壇させていただいたインデックス投資ナイト2016にて、会場から山崎元氏に対してバランスファンドをどう思うかという質問がありました。それを元ネタにバランスファンドの是非を書いてみたい。

結論から言うと、ダメなバランスファンド(やダメなバランスファンドの利用法)が多いが、良いバランスファンド(と投資家の組み合わせ)は投資していいというのが山崎氏の主張でした。私もこれは同意です。

バランスファンドの何が問題か。そして、どうなっていればよいのか。

バランスファンドが本質的にダメな4つの理由でも書いていますが、山崎氏がバランスファンドをダメとする理由は主に以下の3つです。(上記の記事の4つ目はプロが上手くないという話で少し方向性が違う)
    1. 何に投資しているのか、内容を把握しにくい
    2. コストが高い
    3. 割合の変更等、きめ細やかな調整をしにくい
多くの場合、これらの指摘は確かに当てはまります。

1. 何に投資しているのか,内容を把握しにくい

インデックス投資ナイトに来てしまったり、投資信託ブログを書いてしまうようなごく一部の意識高い人は別でしょうが、バランスファンドに投資している人でバランスファンドの中身を理解していない人はいます。バランスファンドと聞いて何かに分散されているというイメージで止まっている人です。個別のファンドを組み合わせても、自分が何にどれだけ投資しているかよく分かっていない人はいますが、バランスファンドでまとめられていることが助長している面があります。
 ⇒しかし、バランスファンドでも中身を分かっていればOK。

2. コストが高い

バランスファンドは一般的にバラのファンドを組み合わせるよりコストが高いことが多くなっています。Fund of Fundsの場合,投資先の各ファンドの信託報酬に加えてバランスファンドの信託報酬がかかるので高くなって当然ですが、ファミリーファンド形式のファンドでもバランスファンドの方が高くなることが多い。私が加入している確定拠出年金でもバランスファンドがありますが、個別ファンドを組み合わせるより信託報酬が高くなっています。
 ⇒しかし、最近ではバランスファンドでも割高でないファンドも出ており、それならOK。

3. 割合の変更等、きめ細やかな調整をしにくい

バランスファンドは個人最適化されたものではなく、多くの投資家向けに運用されているので資産配分が硬直化されます。ターゲットイヤー型など資産配分を変更していくものもありますが、それもある決まったルールに従った運用であり、投資している個々人の状況に合わせた資産配分の変更はやってくれません。何らかの理由でポートフォリオを変更したりしたい場合でもバランスファンドはそれが難しいという問題があります。
 ⇒資産配分を変えないというつもりならOK。

特定の条件さえ満たせばバランスファンドでOK

上でもすでに書いていますが、バランスファンドも特定の条件を満たせば、利用価値のある投資信託です。一般的にはよく理解していない投資家がいたり、割高だったりしますが、そうではないバランスファンドもありますし、投資家もいます。そんな場合には、バランスファンドは十分に有力な投資商品となりえます。


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