Clingfilm

日本では近年ファンドラップが資産を集めています。短期間での回転売買が封じられ、売買手数料からファンドラップにおける管理手数料へと収益源がシフトしています。日本の投資信託業界を語る時、よくアメリカが引き合いに出されますが、ファンドラップについてもちょうど良さそうな資料があったので、アメリカの状況を見てみます。

ファンドラップに1兆ドル

その資料とは、投資運用等を巡る国内外の状況という資料です。
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2014年2Qの時点で約1兆ドル(1ドル=110円とすると110兆円)がファンドラップに集まっています。2007年から2008年に掛けては金融危機のせいか大きく残高を減らしていますが、その後は順調に拡大しています。
他にも、UMA、レップ・アズ・アドバイザー、レップ・アズ・ポートフォリオ・マネジャーなども順調に資金を増やしており、この手のマネージドアカウントの残高は2014年2Q時点で4兆ドルに迫る勢いとのことです。(このペースだと今は4兆ドルを超えている?)


手数料はどうなの?

コストの目ざといインデックス投資家としては、これらのサービスの手数料が気になります。
手数料水準はどうなんだろうと思ってみてみると、以下のレポートに記述がありました。
近年の米国MSA及びファンドラップ市場いおけるイノベーション

残念ながらファンドラップの手数料はありませんが、他の数字を見ると、運用を代行するRep as Portfolio Managerで1.2%です。なるほどなーという数字でしょうか。
マネージドアカウント Fee

日本より投資信託の環境が進んでいると言われるアメリカにおけるマネージドアカウントの状況を考えると、ラップ口座の残高4兆円などという日本はまだまだ拡大の余地が大きいのかもしれません。

資産残高に応じた手数料のその先

上記のレポートで気になったのはここです。
単純に残高に率を掛けるのではなく、サービスの内容に金額をつけるという話があります。残高に10倍の違いがあるときに、アドバイスの手間や価値が残高に比例して10倍になるということではありません。その価値や手間に応じた手数料が徴収されるのがあるべき姿でしょう。
これはいい話であり、目指されるべき方向ではないでしょうか。

ファンドラップなどへの転換は資産残高ベースで手数料を取る仕組みへの変更ですが、これはアメリカではすでに起こっていることで、アメリカでは更にその先へ向かっているということでしょうか。


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