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確定拠出年金、主婦・公務員も対象 改正法が成立 (日本経済新聞)
 運用成績によって受取額が変わる年金の加入対象を広げる改正確定拠出年金法が24日の衆院本会議で可決、成立した。これまでは自営業者や一部の会社員に限っていたが、主婦や公務員が対象に加わり、実質的に全ての現役世代が確定拠出年金を使えるようになる。中小企業向けに設立手続きをやさしくした簡易型の制度も新設する。
「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」が衆議院で可決され、成立しました。

目玉は国民年金3号被保険者(専業主婦/主夫)が確定拠出年金加入可能へ

日経新聞の記事でも真っ先に報じられているように、今回の改正の目玉は何と言ってもここです。従来の制度では対象になっていなかった国民年金3号被保険者(サラリーマンの妻等)が対象になりました。これで一気に(個人型)確定拠出年金の潜在的な対象者が増えました。

他にも公務員や企業年金のあるサラリーマンも参加できるなど、加入可能者が増えています。

確定拠出年金
公務員/専業主婦への拡大等、新しい確定拠出年金制度の仕組み 〜 平成27年度税制改正大綱からで掲示した図の再掲
新規で多くの人が加入できるようになったということもありますが、転職や退職によって「拠出も脱退もできない」 確定拠出年金の罠で書いたような、拠出もできないし脱退もできないという谷間に落ちてしまっていた人を救済できます。
いくつかある改正点の中で、最低限覚えておくべきはここでしょう。

提供商品数に上限を設定

確定拠出年金の議論の中で、商品数が多いことが必ずしも良いとは言えないという話がありました。確定拠出年金法の中に直接上限数は書かれておらず、別途政令で上限を定めるとされていますが、商品数に上限が設定されます。
※参考: 確定拠出年金の運用商品、10本以内を義務付け 厚労省案 (日本経済新聞)

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商品の除外が2/3以上の賛成でOKと容易になった

上記の商品数の上限に関連した項目です。
従来は「全員の賛成がないと商品の除外ができない」と、実質的に商品の除外が不可能でした。しかし、商品数に上限が設けられた中、除外が困難になると商品の入れ替えができません。2/3以上の賛成でOKと、商品入れ替えができるような除外基準を設けるのは自然な流れです。

制度間のポータビリティが向上

企業によって確定拠出年金(DC)だったり、確定給付年金(DB)だったり、その併用であったり……と年金制度は違います。今回の改正ではそのような制度間での資産の移管ができるようになります。
個人的にはDC➾DBというのが面白いという印象です。
dc_portability_2016
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/189-46.pdfより抜粋


他にも、制度の導入を容易にするために手続きを簡素化するなど、確定拠出年金の導入・推進を充実させるような改正が盛り込まれています。
従来から確定拠出年金推しだった吊ら男としてはこの改正は大注目です。


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