
不動産、株式、債券といったアセットは投資の王道です。
一方、近年ではコモディティ(モノ)というアセットも注目されてきており、投資する人も増えてきています。コモディティとは具体的には、プラチナ、金、銀、銅、小麦、とうもろこし、大豆、砂糖、原油、ワイン、等々……があります。
コモディティ投資の狙いは?
コモディティ投資の意義として良く語られるのは以下のようなものがあります。- インフレヘッジ
- 分散効果 (株式や債券など伝統的資産と異なる値動き)
コモディティはモノの値段なのだから実質の期待リターンは0
不動産、株式、債券については実質の期待リターンについていろいろ議論があります。リスクを取っているのだからリスクプレミアムが乗っるとして議論され、程度の差こそあれ期待リターンはプラスという声が大きくなっています。コモディティの期待リターンはいかがなものか?
コモディティの実質期待リターンは0と考えればいいでしょう。コモディティがモノに投資してモノの値段の変化が反映されるのですから、原則的には期待リターンはインフレ率と考えるのが筋です。
もちろん、インフレ率は数多くのモノ・サービスを混ぜた物価上昇率ですので、その中のごく一部だけを選んだ場合には、インフレ率より上昇することもあるでしょうし、下落することもあるでしょう。
ジェレミー・シーゲル氏の長期グラフでゴールドの価格は…
ジェレミー・シーゲル氏は著書である『株式投資以下はNIKKEI STYLE掲載のグラフです。
長期なら株式投資がベスト 碩学が読む市場の先行き |マネー研究所|NIKKEI STYLE
このグラフではゴールドが長期的にはほぼリターン0になっていますが、他のコモディティでもモノの値段にお金を張っている以上、インフレ率と同等の期待リターンと考えるのが筋でしょう。
コモディティに投資するべきなのか?
では、期待リターンが0のコモディティに投資すべきなのでしょうか。この確実な答えはありません。
コスト控除前の期待リターンは0でも既存アセットとの逆相関であれば投資する価値があるかもしれません、(仮に株式とリスクが同等で相関係数が-1なら、株式:コモディティ=50%:50%の投資はノーリスクで株式投資100%の半分のリターンを得られます)
しかし、現実の分散効果についてはコモディティが特別に素晴らしいということもなさそうです。
このような値動きを見ていると、株式と債券の分散効果も薄まってきたかという話もあるように、コモディティの分散効果も薄まってきているのかもしれません。
他アセットとの分散効果については薄まったとは断定できないものの、そんなに期待してはいけないと考えています。
期待リターンが0で分散効果にあまり期待していないとなると……投資の対象外ですね、はい。
※ここでの期待リターンはインフレ率を引いた実質期待リターンです
コスト控除前の期待リターンは0でも既存アセットとの逆相関であれば投資する価値があるかもしれません、(仮に株式とリスクが同等で相関係数が-1なら、株式:コモディティ=50%:50%の投資はノーリスクで株式投資100%の半分のリターンを得られます)
しかし、現実の分散効果についてはコモディティが特別に素晴らしいということもなさそうです。
金融商品としてのコモディティの分散効果は?
昨今の金融危機の頃から株式などとコモディティの相関が高まりました。これは一時的なものかもしれません。もしくは、巷で言われているようにコモディティが金融商品として認知されてきたために、株式や債券などと同様にリスクオン局面で買われやすく、リスクオフ局面では売られやすいという特性を持ち出したのかもしれません。このような値動きを見ていると、株式と債券の分散効果も薄まってきたかという話もあるように、コモディティの分散効果も薄まってきているのかもしれません。
吊ら男はコモディティへの投資をどうするのか
期待リターンを0と考えています。他アセットとの分散効果については薄まったとは断定できないものの、そんなに期待してはいけないと考えています。
期待リターンが0で分散効果にあまり期待していないとなると……投資の対象外ですね、はい。
※ここでの期待リターンはインフレ率を引いた実質期待リターンです
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株式暴落時の初期の段階では、ヘッジファンド等の換金需要で一時的に金価格は下落する様ですから、そのチャンスに買い増しして、その後の高値で売却、暴落した株式を買いまくろう?なんて妄想してます。