各アセットで信託報酬最安のインデックスファンドが8本登場
ステート・ストリートが主要なインデックスにおいて低信託報酬なインデックスファンドを8本リリースするというニュースが飛び込んできました。4月20日にEDINETに掲載され、情報入手が早い投信ブロガーの方々が取り上げられています。
私がこのニュースを知ったのはステート・ストリートが超低コストインデックスファンド8本を設定(バリュートラスト)になります。
登場する8本のインデックスファンドの情報
登場するファンド8本の基本情報は以下のとおりです。全てのファンドが2016年5月9日に設定されるようです。信託報酬は、最近、信託報酬が低いことで有名なたわらノーロード、三井住友、ニッセイなどよりも低い水準になっています。
ステート・ストリート日本株式インデックス・オープン
- 対象インデックス: TOPIX(配当込み)
- 信託報酬(税抜き): 0.18%
ステート・ストリート先進国株式インデックス・オープン
- 対象インデックス: MSCIコクサイ指数(円ベース)
- 信託報酬(税抜き): 0.21%
ステート・ストリート先進国株式インデックス・オープン(為替ヘッジあり)
- 対象インデックス: MSCIコクサイ指数(円ヘッジベース)
- 信託報酬(税抜き): 0.22%
ステート・ストリート新興国株式インデックス・オープン
- 対象インデックス: MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円ベース)
- 信託報酬(税抜き): 0.29%
ステート・ストリート日本債券インデックス・オープン
- 対象インデックス: (NOMURA-BPI総合指数)
- 信託報酬(税抜き): 0.18%
ステート・ストリート先進国債券インデックス・オープン
- 対象インデックス: シティ世界国債指数(除く日本、円ベース)
- 信託報酬(税抜き): 0.19%
ステート・ストリート先進国債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)
- 対象インデックス: シティ世界国債指数(除く日本、円ヘッジベース)
- 信託報酬(税抜き): 0.20%
ステート・ストリート新興国債券インデックス・オープン
- 対象インデックス: バークレイズ・エマージング・マーケッツ・ローカル・カレンシー・リキッド・ガバメント・インデックス(円ベース)
- 信託報酬(税抜き): 0.12% *
この中では特に新興国株式の0.29%という信託報酬が光り輝いて見えます。
販売会社は三井住友信託銀行のみ 〜DIAMパッシブファンドのパターン?
このように注目のステート・ストリートのファンド8本ですが、現時点では販売会社は三井住友信託銀行のみとなり、販売会社が気になります。販売会社はどうやって儲けるの?
この8本のファンドの信託報酬を分解すると以下のとおりです。一般的な多くのファンドでは受託会社(運用会社)と販売会社の取り分はほぼ同水準の取り分をになっています。しかし、この8本のステート・ストリートのファンドでは販売会社の取り分が0.01%分しかありません。
100億円の残高を積み上げても年間収益は100万円です。1000億円の残高を積み上げても年間収益は1000万円にしかなりません。
この信託報酬の形態は販売会社にとっては何の旨みもなく、利益を上げるのはバズ松さんの無理ゲー以上に無理ゲーと言えるかもしれません。
損な利益にならないようなファンドを取り扱う販売会社は出てくるのでしょうか?
これで頭をよぎったのはDIAMのパッシブファンドのパターン。
DIAMのパッシブファンドも登場する際には信託報酬が低い(当時)ことで注目を集めました。そして、信託報酬で販売会社の取り分は0.02%でした。結局、DIAMのパッシブファンドは水戸証券のラップ口座専用ファンドというオチで終わりました。
取り扱い販売会社は三井住友信託銀行ということですが、彼らはどう儲けましょう。
EDINETの情報によると、申し込み手数料は無しで設定されてしまっているので、販売手数料でお金を取ることはできません。そして、信託報酬では残高の0.01%しか貰えません。
三井住友信託ファンドラップでは、固定報酬型で年率1.512%(上限)、成果報酬併用型では年率1.0044%(上限)+運用成果の16.2%が手数料になります。これを取れるのであれば、ファンドラップ内の信託報酬が0.01%でも勝算ありでしょう。
今回登場のステート・ストリートのファンドは三井住友信託銀行のファンドラップ用の投資信託というのが私の読みですが、どうなるでしょう。(近いうちに答えはわかります)
ラップ口座のように別枠で何らかのフィーを取れる仕組みが無ければ取り扱わないのが正しい経営判断でしょう。ロボアドバイザーとの組み合わせなどは考えやすいところです。
比較的低コストで運用できるとなると確定拠出年金も思いつきますが、さすがに0.01%では確定拠出年金でも厳しいのでは……
いい意味で私の予想が外れてくれると面白いのですが、どうでしょう。
100億円の残高を積み上げても年間収益は100万円です。1000億円の残高を積み上げても年間収益は1000万円にしかなりません。
この信託報酬の形態は販売会社にとっては何の旨みもなく、利益を上げるのはバズ松さんの無理ゲー以上に無理ゲーと言えるかもしれません。
損な利益にならないようなファンドを取り扱う販売会社は出てくるのでしょうか?
これで頭をよぎったのはDIAMのパッシブファンドのパターン。
DIAMのパッシブファンドも登場する際には信託報酬が低い(当時)ことで注目を集めました。そして、信託報酬で販売会社の取り分は0.02%でした。結局、DIAMのパッシブファンドは水戸証券のラップ口座専用ファンドというオチで終わりました。
今回のファンドも三井住友信託のラップファンド専用?
さて、話を戻して今回のステート・ストリートの8ファンド、どうなるでしょう。かつてのDIAMのパッシブファンドに状況がよく似ています。取り扱い販売会社は三井住友信託銀行ということですが、彼らはどう儲けましょう。
EDINETの情報によると、申し込み手数料は無しで設定されてしまっているので、販売手数料でお金を取ることはできません。そして、信託報酬では残高の0.01%しか貰えません。
そうだアドバイザー料を取ろう
そこで期待されるのはファンドラップ。三井住友信託銀行には三井住友信託ファンドラップというサービスがあります。三井住友信託ファンドラップでは、固定報酬型で年率1.512%(上限)、成果報酬併用型では年率1.0044%(上限)+運用成果の16.2%が手数料になります。これを取れるのであれば、ファンドラップ内の信託報酬が0.01%でも勝算ありでしょう。
今回登場のステート・ストリートのファンドは三井住友信託銀行のファンドラップ用の投資信託というのが私の読みですが、どうなるでしょう。(近いうちに答えはわかります)
他に、このファンドを取り扱う販売会社は出てくるのか
あくまで私の推測ですが、販売手数料を取れない&信託報酬が残高の0.01%では、通常の特定口座で買えるような取り扱いをしてくれる販売会社はいないと思います。直販という案もありますが、ステート・ストリートがリテール販売というのは考えにくい。ラップ口座のように別枠で何らかのフィーを取れる仕組みが無ければ取り扱わないのが正しい経営判断でしょう。ロボアドバイザーとの組み合わせなどは考えやすいところです。
比較的低コストで運用できるとなると確定拠出年金も思いつきますが、さすがに0.01%では確定拠出年金でも厳しいのでは……
いい意味で私の予想が外れてくれると面白いのですが、どうでしょう。
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