先日のアメリカドル/円が110円割れ、今は円高か円安か 〜実質実効為替レートではアメリカドル/円の実質実効為替レートを見てみました。
せっかくですので、投資信託で人気のブラジルレアルの実質実効為替レートも見てみます。
ブラジルレアルの数字は日銀にはありませんので、BISのデータ (http://www.bis.org/statistics/eer.htm) を使います。BISでは1994年1月からの名目実効為替レート及び実質実効為替レートをダウンロードできます。
名目実効為替レートは、ブラジルレアル/アメリカドル、ブラジルレアル/ユーロのように特定の通貨に対するブラジルレアルのレートを示すのではなく、複数の通貨に対するレアルの値動きになります。つまり、ブラジルレアルの名目実効為替レートが下がっていれば、レアルは世界的に他通貨に対して弱くなっていると言えます。
1994年は、名目では大きくレアル安だが、実質ではほぼ変わらず
1994年からのグラフには大きな特徴があります。
名目実効為替レートでは1月⇒6月で1087.57⇒179.95と大きく下がっています。一方、実質実効為替レートでは84.17⇒82.84とほぼ変わらずです。
これは、1994年7月に対応策がとられるまでハイパーインフレによってレアルの価値が大きく下がっていた時期だったため、高いインフレ率⇒通貨の価値が下落=名目実効為替レートはレアル安という流れです。一方、実質実効為替レートはインフレ率を考慮するので、ほぼ値動き無しとなります。
一方、赤線の実質実効為替レートで見ると、少し違います。2002年頃からは名目実効為替レートと実質実効為替レートは非常に近い値動きをしていますが、底値を見ると差があります。名目実効為替レートでは今の水準は2002-2003年頃の史上最安値に近い水準ですが、実質実効為替レートではまだ幾分かの余裕があります。
実質実効為替レートで見ると「レアルには多少投資妙味あり?」という水準でしょうか。
高金利通貨に投資されている人で、名目為替レートでの過去のレートを参考にしている人も多いのですが、高金利通貨の場合はインフレ率の影響が大きいので、先進国通貨同士の時以上に実質実効為替レートを意識しておいて欲しいところです。
名目実効為替レートでは1月⇒6月で1087.57⇒179.95と大きく下がっています。一方、実質実効為替レートでは84.17⇒82.84とほぼ変わらずです。
これは、1994年7月に対応策がとられるまでハイパーインフレによってレアルの価値が大きく下がっていた時期だったため、高いインフレ率⇒通貨の価値が下落=名目実効為替レートはレアル安という流れです。一方、実質実効為替レートはインフレ率を考慮するので、ほぼ値動き無しとなります。
今のレアルの為替水準はレアル高かレアル安か?
1994年の急激な値動きを除いて、1995年からのグラフも作っています。青線の名目実効為替レートではレアルは史上最安値に近い水準にあります。一方、赤線の実質実効為替レートで見ると、少し違います。2002年頃からは名目実効為替レートと実質実効為替レートは非常に近い値動きをしていますが、底値を見ると差があります。名目実効為替レートでは今の水準は2002-2003年頃の史上最安値に近い水準ですが、実質実効為替レートではまだ幾分かの余裕があります。
実質実効為替レートで見ると「レアルには多少投資妙味あり?」という水準でしょうか。
高金利通貨に投資されている人で、名目為替レートでの過去のレートを参考にしている人も多いのですが、高金利通貨の場合はインフレ率の影響が大きいので、先進国通貨同士の時以上に実質実効為替レートを意識しておいて欲しいところです。
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