
ワインファンドのVIN-NET(ヴァンネット)破産のニュースの件です。
ワイン投資ファンド破綻、36億円償還できぬおそれ (日経新聞)
ワイン投資ファンドを運営するヴァンネット(東京・新宿)に対し、東京地裁は7日、破産手続きの開始を決定した。約520人が出資した約36億円が未償還になっているといい、償還を受けられない可能性がある。その他の債務も含め、負債総額は40億円を超える見通し。
調査によると、代表取締役は08年以降、運用で出た損失を隠すためにワインの在庫数や売買取引の内容などを偽っていた。在庫は書類上よりも大幅に少ない約1億円分しかないという。
すでに上記のようにいくつかの大手メディアで報じられており、ブログなどでも取り上げられています。それらを総合すれば大体ここで書くことは分かるのですが、散々にこのVIN-NETを取り上げてきた私のブログで書かないのも変だろうということで書いておきます。
●過去のヴァンネット関連
・ワインファンドから香る怪しげな臭い (2013年7月17日)
・ワインファンドのVIN-NET(ヴァンネット)がトーンダウン (2013年9月16日)
・ワインファンドの北田朝雪氏のコンサルティング・アルファが業務停止の行政処分 (2014年8月23日)
・ワインファンド運営会社のVIN-NET(ヴァンネット)が金融商品取引業者の登録取り消し。そして強く推奨していた方は… (2015年12月27日)
昨年の12月25日(クリスマス!)の時点で行政処分が公表されていましたので、自転車操業のポンジースキーム詐欺だったということ及び、投資家の資産が守られていないことは明らかになっていました。
今回のニュースでは会社が破産手続きを行うこととその被害金額が明らかになりました。
詐欺に引っかかってしまった方々からの説明会に関する情報
この詐欺に引っかかってしまった人達向けの説明会が3月4日にヴァンネットによって行われており、その参加者の方からニュースで報じられている以上の詳しい情報が出てきています。アパート経営奮闘記というブログのVIN-NET(7)で参加者の方のコメントが紹介されています。
ヴァンネット社曰く、不正は2008年頃から行われており、すべては高橋淳社長個人が勝手にやったことで他の役員は高橋氏から2015年12月に不正を告白されるまで全員何も知らなかったということらしいです。あくまでヴァンネットの主張によるとですが。
2015年8月まで長らく社長を務められた北田朝雪氏も何も知らなかったそうです。全くもって緻密な運用などされておらず放漫も放漫だったとのことです。あくまでヴァンネットの主張によるとですが。
ヴァンネット社内の人間を除くと、ヴァンネットを世界で一番宣伝していたと思われるのは内藤忍氏です。その内藤忍氏の北田朝雪氏評は以下のとおりです。
私はランドバンキング、エネルギー採掘、水資源開発といった案件には一切投資をしておりません。海外の実物資産で投資をしているのは、不動産とワインだけです。なぜなら、それ以外の投資対象には信頼できるパートナーが(少なくとも現時点では)いないからです。
例えば、ワイン投資に関しては、現物のワインの販売を行う会社とワインファンドの運営会社とお付き合いしていますが、どちらも日本にいる最高責任者の方と個人的にも数年のお付き合いをさせていただき、オフィスにも頻繁に訪問させていただいています。
「投資のトラブル」「金融詐欺」に巻き込まれないための対処法(Shinoby's World)
5年以上のお付き合いをさせていただいているとても緻密で信頼できる方です。
「ワインファンド」は、ユーロ危機による円高でどうなったか?(Shinoby's World)
オフィスにも頻繁に訪れて長年の付き合いがあって緻密で信頼できる(他の実物資産のパートナーよりも信頼できる)と評しているわけです。この通りであれば、ヴァンネットの説明と随分乖離があるように思います。
ヴァンネットの主張がおかしいのか、内藤忍氏が意図的に嘘をついているのか、内藤忍氏が緻密さの判断もできない無能な善意ある第三者なのか、それらの複合なのかという話になりそうです。(個人的には、ワインファンド詐欺が明るみになった際にスルーしている時点で善意ある人説は消えています。)
いずれにしても前社長を含めて責任は重いのでは
仮に・・・・・仮に・・・・・・仮にですよ、ヴァンネットの主張が正しくて高橋氏一人の不正だったとしましょう。そうだとしても前社長の北田氏を筆頭に他の方々の責任も十分に重いでしょう。「お前らは何をやっていたんだ」という話です。
自分が本来やるべき全く仕事をせずに部下が勝手にやったことだから責任を取らないという話であれば、そのポジションにいて報酬をもらうことの辻褄が合いません。そのポジションにいる以上は取引実態を把握しておくべきですし、把握していなかったというならある意味詐欺の片棒を担いだようなものです。
法律関係は詳しくないので何とも言えませんが、会社の資産では被害額の弁済にはとても足りないようですので、ここは彼らに対して損害賠償請求を行ってほしいところです。
世界一ヴァンネットを宣伝していた内藤忍氏はこれに何を思う?
いつかはゆかし、MARS投資など、私のブログはもともと詐欺ネタはアンテナが敏感になっていますが、ワインファンドについてはインデックス投資家として外せない内藤忍氏がいることもありアンテナが反応します。上でも書きましたが、内藤氏は世界で一番ヴァンネットを宣伝していた人と言って過言ではありません。北田氏や高橋氏と行くワイン視察ツアーをやられていましたし、著書でも具体的なおすすめ投資先としてヴァンネットを挙げています。
そんな内藤忍氏は、昨年12月に行政処分が発表されてからブログでもワインファンドの件に一切言及しなくなっています。
ワインファンド運営会社のVIN-NET(ヴァンネット)が金融商品取引業者の登録取り消し。そして強く推奨していた方は…でも紹介しましたが、内藤忍氏はさんざん自身のブログで信頼できる人が大事という話を書いています。
その内藤氏の目には、詐欺商品を詐欺会社のトップの人と手を握って大々的にお勧めしておきながら問題が起こったらずっと沈黙という人はどう映るのでしょう。
目まぐるしく変わる内藤忍氏のお勧め投資対象
次には上の様な内容を書こうと思ったのですが、分量が多くなったので記事を分割します。【関連コンテンツ】
内藤が所属するアゴラのコメント欄が承認制に突然変わりました(笑)