ある意味クリスマスに相応しいニュースかもしれません。
12月25日に日本唯一のワインファンド運用会社(?)を自称していたVIN-NET(ヴァンネット)に関してビッグニュースがありました。
VIN-NET(ヴァンネット)が金融商品取引業者の登録を取り消される
少し前にワインファンドから香る怪しげな臭い(2013年7月17日)という話を書いてからこの会社には注目していましたが、「不正又は著しく不当な行為」が認定され、金融商品取引業者の登録を取り消されました。株式会社ヴァンネットに対する行政処分について (平成27年12月25日 関東財務局)
(1)登録取消し
関東財務局長(金商)第1577号の登録を取り消す。
当社は、これまで複数のファンドの取得勧誘を行っているが、過去に償還を迎えたファンドにおいては、別のファンドの資金を流用することにより、実際の運用実績とは異なる高い運用利回りで償還金等を支払っていた。さらに当社は、こうした状況を認識しながら、新たなファンドの取得勧誘を行っていた。
ワインファンドから香る怪しげな臭いで「少なくとも外から見る限りは問題があった金融商品たちと区別がつきません。」と書いていたのですが、その懸念通り、新規で集めたお金で既存投資家に支払うという自転車操業という典型的な悪質な投資詐欺案件と同じでした。
なお、ワインファンドの北田朝雪氏のコンサルティング・アルファが業務停止の行政処分(2014年8月23日)と書いたように、当時のVIN-NET(ヴァンネット)代表の北田朝雪氏(現代表は別の人)は、別会社ですが無登録で海外ファンドに係る募集又は私募の取扱いを行ったという実績のある方でした。
ワイン投資及びヴァンネット(VIN-NET)を推奨していた内藤忍氏はどうするのか
さて、インデックス投資家として、この案件を見た時に気になるのは内藤忍氏です。内藤忍氏は海外不動産投資と同時にワイン投資を推奨しており(資産1億円の場合、不動産80%、ワイン10%、インデックス投資10%程度のアセットアロケーションを推奨)、特にその手段の一つとしてヴァンネット(VIN-NET)のワインファンドへの投資を強く推奨していました。また、先の北田朝雪氏と非常に親しい交流があったようで「とても緻密で信頼できる方」「ワインファンド」は、ユーロ危機による円高でどうなったか?(Shinoby's World)と評し、一生付き合っていきたい人としても名前を挙げています。
また、投資やビジネスはそのように信頼できる人を選ぶことが大事だと説いており、信頼できる北田氏のような人に運用を任せるべきだという主張もされていました。
内藤忍氏自身がビジネスも投資も「何をやるか」より「誰とやるか」が圧倒的に重要(Shinoby's World)と言われていますが、このようなファンファンドを推奨していた内藤忍氏が勧める投資話が信頼できるかという話になるかと思います。
※参考:この手の話に引っかからないように気をつけるべきと私が考えていること
レセプト債運用会社破綻に思う -この手の話に引っかからないためには何に気をつけるべきか
ワインの魅力を一生懸命説明しているうちに熱くなって、ミーティングの時間を大幅オーバーしてしまうワインファンドの北田社長
一生懸命な人となら、一生付き合いたいと思える。
一生懸命な人となら、一生付き合いたいと思う(Shinoby's World)
また、投資やビジネスはそのように信頼できる人を選ぶことが大事だと説いており、信頼できる北田氏のような人に運用を任せるべきだという主張もされていました。
投資をする場合でもビジネスをする場合、何に投資するかや何のビジネスをするかも重要ですが、それより考えるべきことは「誰とやるか?」です。
ビジネスも投資も「何をやるか」より「誰とやるか」が圧倒的に重要(Shinoby's World)
私はランドバンキング、エネルギー採掘、水資源開発といった案件には一切投資をしておりません。海外の実物資産で投資をしているのは、不動産とワインだけです。なぜなら、それ以外の投資対象には信頼できるパートナーが(少なくとも現時点では)いないからです。
例えば、ワイン投資に関しては、現物のワインの販売を行う会社とワインファンドの運営会社とお付き合いしていますが、どちらも日本にいる最高責任者の方と個人的にも数年のお付き合いをさせていただき、オフィスにも頻繁に訪問させていただいています。
「投資のトラブル」「金融詐欺」に巻き込まれないための対処法(Shinoby's World)
もう1つは、「ワインファンドの利用」です。匿名組合契約と呼ばれるファンドを使った投資で、ファンドマネジャーに運用を任せます。日本国内では、ヴァンネットという会社が代表的です。
世界で需要拡大のワイン投資、正しい方法は?(PRESIDENT Online)
●もしかして、ここで見切りをつけたのでしょうか!?
以下は推測になりますが、もしかして…というところです。VIN-NET(ヴァンネット)は2015年9月22日に社長交代のお知らせを出しています。その1週間後の2015年9月29日に内藤忍氏は「嘘」は早く「損切り」した方が良いという意味深なことを書いています。この中で、プライベート・ビジネス・金銭に言及し、以下のように書いています。プライベートなことであれば大きなトラブルになって人間関係が取り返しのつかないになってしまうこともあるでしょう
ビジネスであれば信頼関係は崩壊し、仕事を失う可能性も出てきます
金銭に関わることになれば、裁判になることも出てくるでしょうし、最終的には刑事事件として告発されて、刑務所行きという最悪の事態もあり得ますプライベートの件は今回の話ではないと分かるのですが、ビジネスと金銭の話はタイミングとして、このVIN-NET(ヴァンネット)の件か?と思わせるタイミングです。どうなんでしょう…。
●今後はどうなる?
内藤忍氏のキャラクターそのものは私は実は好きです。しかし、それとその人が勧めている投資話は別であり、この手の怪しい話を広めていることは見過ごせません。内藤忍氏自身がビジネスも投資も「何をやるか」より「誰とやるか」が圧倒的に重要(Shinoby's World)と言われていますが、このようなファンファンドを推奨していた内藤忍氏が勧める投資話が信頼できるかという話になるかと思います。
※参考:この手の話に引っかからないように気をつけるべきと私が考えていること
レセプト債運用会社破綻に思う -この手の話に引っかからないためには何に気をつけるべきか
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全面的に同意します。
なんか、ワイン投資すると偉くなった気がするんですかね。
私も気をつけようと思います。