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少し前ですが、レセプト債を発行していた運用会社が破綻したという話がニュースが有りました。

※参考:「レセプト債」4社が破綻 227億円回収不能のおそれ (2015/11/9 日経新聞)
 医療機関の診療報酬請求権を買い取り「レセプト債」と呼ばれる債券を発行し、投資家から資金を集めていたファンド3社と運営会社が9日までに、東京地裁に破産手続き開始を申し立てたことが分かった。3社が発行した債券残高は約227億円に上るといい、投資家が償還を受けられない可能性がある。証券取引等監視委員会はファンド運用に不審点があるとして調査を始めた。

どうやらまっとうに運用していて損失を出してダメになったのではなく、まっとうな商品ではなかったようです。

世の中にはいろいろな投資話はありますが、中にはこのような怪しい話も混ざっています。この手の話に引っかからないようにするにはどうすればいいのか?

レセプト債自体は怪しいものではない

このニュースが流れた時に、レセプト債自体がよく分からない怪しいものかのように言われたこともありますが、これは違います。レセプト債自体は、日本国の健康保険の診療報酬を受け取る権利を取り扱ったものであり、この支払い自体の確実性は極めて高いものになっています。
国が支払いを約束したものを譲渡していることになっているのですから、レセプト債自体が怪しいというのは違います。

じゃあ、投資家はどうすればいい?

さて、投資家として取るべき防衛策としては、仕組み・制度として担保・保護されるようになっているかが大きなポイントです。
以下は以前に横浜サカエ塾で講師をした際にも使用したスライドの1枚です。
投資信託の仕組み
※投資者保護基金が投資家保護基金となっているのはご容赦ください

例えば、証券会社にて直接株式や社債を購入すれば、それは確実に株式や債券が存在しているといえます。これは簡単です。
ファンドの場合、ファンドの中身が本当に存在するのかが問題になってきます。例えば、私募投信などで怪しいケースがあったりします。
一方、公募投資信託となれば監視の目も厳しく、多少の胡散臭さはあっても私募投信やレセプト債券などと比較すれば信用度は高いと言えるでしょう。
また、証券会社を通して上場株式・債券・投資信託などを購入していれば、仮に悪どい証券会社が投資家の資産を使い込んで破綻したとしても投資者保護基金という制度で1000万円までは補償されます。これは預金における1000万円までの保護と同じようなもので、投資者保護基金が使われたのは南証券と丸大証券のケースがあります。
※投資者保護基金の会員企業はこちら→会員一覧
※投資者保護基金の補償の対象となる取引は以下のとおり (日本投資者保護基金の投資者保護とはより)
投資者保護基金の対象となる取引 hspace=



「分からないものに投資しない」は大事な原則です。
しかし、それだけではなく、上場株式や有名企業社債に投資するという商品の場合でも、それが本当にそれに投資するようにできているのか・どうやって担保されるのかという仕組みの面に目を向けることも重要でしょう。


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