この8月、日経平均は8月24日に895円安になったように日々の相場の変動は大きく、全体的にも8月10日の直近高値の20808円を頂点に8月25日には17806円まで下落しました。(終値ベース)
9月も比較的大きな上下動を繰り返しながら下値を切り下げて9月29日には16930円と17000円を割り込みました。
【参考】895円安の日経平均、今後のポイントは何か (2015/8/24, 東京経済Online)
ニュースでは「暴落」「大幅下落」などという言葉が躍る日がたくさんありました。投資関係のブログでは「暴落だ、大変だ」というような声もあれば、「暴落じゃないよ」という声もありました。
では、この時の相場は暴落だったのでしょうか?
暴落とも言えるし、暴落でないとも言える
「暴落である」も「暴落ではない」もその前提条件があっていればどちらも正解です。デイトレーダーのように短期的に売買する人にとっては1日で日経平均株価が数%動くような相場は十分に暴落とも言えます。日経平均などだけであれば、まだ数%の傷で済みますが、個別株で値動きの荒い新興株などに集中投資でトレードを仕掛けていた場合は致命傷になりかねません。またレバレッジがかかる投資法をしている場合も傷が大きくなります。
一方、長期バイ&ホールドの投資家にとっては、ピーク→ボトムを見ても20808円→16930円と下落率は18.6%に過ぎません。日経平均の年間リスクを標準偏差で表すと1標準偏差が約20%程度であり、この8月から9月にかけての下落は1標準偏差程度です。
この程度は「よくあること」であり、暴落と言えないでしょう。
今回の趣旨とは少し外れますが、投資信託だと日中の値動きがどんなに荒くても終値が前日終値と同じであれば、基準価額に変動なしでおとなしかった一日となってしまいます。
同じ相場を見ていても投資法に応じて評価が別れるのは面白いところです。
【関連コンテンツ】