Exit Strategy
Buzzword Bingo: Exit Strategy / planeta

個人投資家の投資の世界で「出口戦略」という言葉が使われることがあります。

しかし、この用語の使われ方で時々「???」と頭にはてなマークが浮かぶことがあります。


一般的に出口戦略とは特定の政策などを終了する際に使われます。
例えば、「イラク問題/戦争の出口戦略」「異次元金融緩和の出口戦略」のような「●●の出口戦略」といった表現です。投資の世界では、ベンチャーキャピタルが特定の会社に提供していた資金を回収するために株式を売却する場合などにも出口戦略と言われます。
つまり、出口戦略が実施されれば、それは●●の終了を意味します。

そのような言葉の使われ方を頭において「個人投資家の出口戦略」を考えると理解しにくい用法があります。

一時的な利益確定が出口戦略?

投資のExitではなく、一時的なポジション調整を出口戦略とするような表現を目にすることがあり、そこに違和感があります。「ある程度上昇したから一部利益確定で現金化」は出口戦略でしょうか?
その後も投資を継続しているならそれは出口戦略なんてものではなく通常のトレードではないでしょうか。

ベトナム戦争の各局地での戦闘における撤退はベトナム戦争の出口戦略とは呼ばないように、個々の取引は投資の出口戦略ではないよな…と。
アクティブ運用で企業の業績や景気の波を呼んで投資をすることは普通の投資活動の一環であり、「コロワイドへの投資案件の出口戦略」のように個々の投資案件の出口戦略ならわかりますが、投資の出口戦略として語られるのは違和感があります。

その資産運用全体の一部で特定の資産を売却することは投資の出口戦略ではなく、単なるポジションの整理ではないでしょうか。


細かい言葉の定義で、「そんなことにこだわるなよ」という声も聞こえてきそうですが、こういう定義がずれていると話がかみ合わないことが多いので気になりました。



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