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投資信託の分配金原資について、理解している人はどれほどいるでしょうか。中の人を除けばその実際のところを理解している人は多くないと思われます。

分配金の原資の話になると思い出すのが、日経新聞の2012年1月27日の投信「配当しすぎ」に歯止め 金融庁が法改正検討という記事。以下のような図が紹介されています。
なんとなく説明っぽいことがされていますが、この説明で分配金原資について理解できた人はいないと思います。(この説明は端折りすぎていて、ある意味不正確)
toushin_bunpaikin_nikkei


分配金の原資については、当ブログで分配金規制がおかしな分配金システムを促進するにも書いたように『投資信託財産の評価及び計理等に関する規則』の第5編(第54条〜第63条)に規定されています。ここに書かれているルールのとおりです。

しかし、この規則を読んで理解しようとするような人はほとんどいないでしょう。実例もないですし、一般人にわかりやすいとは言い難い。そんな中、比較的分配金原資について分かりやすい説明がされている資料がありました。
早稲田大学商学部が発行している『早稲田商学』の第440号(2014年6月発行)の中に毎月分配型投信と預金類似性を有したわが国の投信分配制度がありました。

この中で投資信託の分配金の仕組みについて詳しく(比較的)分かりやすく説明されています。

キャピタルとインカムが別枠になっていること、繰り越されて分配準備積立金となったお金は繰越欠損金や翌期以降の損失と合算しなくていいこと、など分配金原資の仕組みがいろいろ書かれています。

3分で分かるというほど簡単な資料ではありませんが、詳しさと面白さのバランスを兼ね備えた資料としてはいいものだと思います。


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