
しかし、「海外ETFは使わなくていい」と言っておきたい。
海外ETFのメリットとして以下のようなものがあります。
- 保有コストが安い商品が多い
- 種類が多い
- 分配金に対する外国税額控除を利用できる
ただし、デメリットもあります。
- 外国株式取扱いの口座を開設する必要がある
- 売買時に手数料がかかる
- 成行買いができないなど発注方法に制限がある
- 特定口座に対応していない会社がある(最近はマネックス・楽天等が特定口座対応)
投資信託等との保有コストの差は縮小中
まず、海外ETFを検討する重要なポイントとして、保有コストが安いことがありますが、そのメリットが小さくなっています。STAMシリーズ(現SMTシリーズ)が出たあたりから、インデックスファンドの低信託報酬が進み、どんどん信託報酬が低下しています。今では先進国株式ならニッセイAMが出しているニッセイ外国株式インデックスファンドで0.39%になっています。
次の話にもつながりますが、新興国株式インデックスのインデックスファンドは2008年にインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 )現・インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式)が登場するまでインデックスファンドが存在せず、新興国株式に投資するには信託報酬が1%後半〜2%程度のアクティブファンドに投資せざるを得ませんでした。
しかし、今ではこのような分野のインデックスファンドも整備されて信託報酬もどんどん下がっていますので、海外ETFとの差は小さくなっています。
インデックスファンド、国内ETFの種類も充実
インデックスファンドでも、各種株式・債券・REIT等のインデックスファンドが充実してきています。昔は私が投資を始めた頃には新興国株式インデックスにすら投資できませんでしたが、今では多数の商品があります。コアなインデックスへの連動は普通のインデックスファンドですべて事足ります。また、国内ETFも株式を中心に本数が増えています。海外ETFを利用しなくても投資できるインデックスは増えています。
外国税額控除は手続きが面倒くさい
外国税額控除は、海外で税金を取られた上で日本国内でも税金を取られる二重課税(の一部)を取り返せる仕組みです。インデックスファンドや国内ETFではこれは利用できませんが、海外ETFでは利用できます。しかし、この手続きは確定申告で行う必要があります。
結論: フツーの人はインデックスファンドか国内ETFで十分
上で見たように海外ETFのメリットは小さくなっており、わざわざ海外ETFに手を出す理由はなくなってきています。フツーの人はインデックファンドか国内ETFで十分でしょう。でも…
そんなこと言っても「依然として海外ETFにはコストメリットはある」「それでも国内では手を出せない商品もある」「外国税額控除は慣れてしまえば、そんなに難しくない」というような反論があるでしょう。そういう反論ができて、自分でちゃんと取引できる人こそが海外ETFに手を出せばいいと思います。インデックス投資で海外ETFを利用する人は、そういう人が向いていると考えています。。
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