「ピケティ、ピケティ」とピケティブームはまだ続いています。あんな分厚い本がベストセラーとして大売れしてますが、「みんなちゃんと読んでいるのか?」という声もあります。
案の定、挫折している人は多いようで、「最も読まれていない本」とまで言われているようです。(The Summer's Most Unread Book Is…(The Wall Street Journal)


そんな中、ホリエモンこと堀江貴文氏が、テレビに出演して以下のような話をしたそうです。
堀江氏が意見を挟み「稼いでたときに、つまり『r』に、どんどん(お金を)入れれば良かったんですよ」と、失業者の投資意欲の欠落を指摘した。
堀江貴文氏が失業者を擁護するジャーナリストを一喝「完全に自己責任じゃん」(Livedoor)

私はこのテレビ放送は見ていないので、その流れ等はわかりませんが、この記事を見る限りでは、堀江氏の主張には半分同意であり半分反対です。


稼いでいた時に浪費していたのが悪くて自業自得という部分には同意します。

その一方で、「投資しておけばよかった」という部分は同意できません。
投資はあくまで資産を増やす力であり、それを実践しても浪費癖があれば消えてなくなります。例え投資をして稼いでいても浪費癖があれば、不況で給与が下がっても失業してもどんどんお金を使うでしょうから、遅かれ早かれ行き詰るでしょう。
そういう意味で、投資の有無が彼らの問題解決策のポイントではないと思ったところが、反対の部分です。



余談終了。以下からが本題です。

各分野ごとに体系立てたファイナンシャル・リテラシー(ファイナンシャル・ケイパビリティ)などとは少し違った、切り口ですが、お金に関する基本的な力を次の3つに分けられるのではないでしょうか。
    1. 稼ぐ力(増やす力)
    2. 消費しない力
    3. 収支のバランスを取る力

稼ぐ力

これは、仕事の給与や銀行預金の利子や投資収益などを含みます。いずれにしても外部からお金を得る能力のことです。

消費しない力

これは、お金を使わずに生活できる力です。特にここでは無理をせずに生活できる水準で考えます。

収支のバランスを取る力

収入と支出の両方をみて調整できる能力を、「収支のバランスを取る能力」とします。


「稼ぐ力」、「消費しない力」、「収支のバランスを取る力」は別の能力

この3つの能力は、別の能力です。全ての能力を十分に持っている人もいれば、どれかだけという人もいるでしょう。

高給取りだけど、どんどん使ってしまって、ほとんど貯金が無い。そして、収入が減ったら赤字転落…というような人は「稼ぐ力」はあったが、残り2つがダメということになります。
また、それほど数は多くありませんが、低コストで生活できる「消費しない力」だけあるという人もいます。


収入-支出=資産増加という単純な式を考えると、収入を増やせる「稼ぐ力(増やす力)」と支出を減らせる「消費しない力」は資産形成における武器です。
車における素晴らしいエンジンとブレーキのようなもので、車を速く走らせるために重要な武器です。

しかし、スペックの高い車なら必ず速く走れるわけではありません。もう一つ大事になってくるのは,、制御する能力です。どのタイミングでアクセルをどこまで踏み、どのタイミングでブレーキを踏み…というドライビングテクニックです。

資産形成においても、せっかく稼ぐ能力があってもその能力を発揮しなくては稼げません。「稼ぐ力」「消費しない力」という強力な武器をしっかりと発揮させる能力が「収支のバランスを取る能力」です。


最初の堀江氏の話に戻ると、昔稼ぎが良かったが浪費してしまって今では失業で生活苦という人たちは、収支のバランスを取る能力」の欠如でしょう。仮に投資をしていて、その中で稼いだ人が出てきたとしても浪費で消えていたと思われます。




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