KKR 基本ポートフォリオ先日、国家公務員共済組合連合会(KokkaKoumuin KyousaiKumiai Rengoukai / KKR)が積立金の運用における基本ポートフォリオの見直しを行ったというニュースがありました。


KKR 基本ポートフォリオ
積立金等の運用の基本方針の改正(基本ポートフォリオの見直し)【説明資料】(H27.2.25)

国内債券比率が74%⇒35%のように資産構成割合が大きく変更されています。

この比率は2014年10月に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が発表した基本ポートフォリオの構成割合と一致します。
GPIFの基本ポートフォリオ


年金一元化法が今年10月から施行されて年金制度が一体化されることに伴っての措置です。
年金が一元化され、積立金の運用についても共通のモデルポートフォリオを構築して各運用主体はこれを参照して運用するということになり、積立の運用自体も共通化されていきます。

積立金等の運用の基本方針の改正(基本ポートフォリオの見直し)【説明資料】(H27.2.25)でも「被用者年金制度一元化への円滑な移行」「一元化後のモデルポートフォリオへの適合性を重視」を理由としているように、一元化後を見越した動きです。


GPIFの基本ポートフォリオの資産構成比率がモデルポートフォリオになるだろう

まだモデルポートフォリオは決まっていませんが、資産規模の大きいGPIFの基本ポートフォリオがモデルポートフォリオになるだろうというのが大方の想定ですので(まさか先日発表したGPIFの基本ポートフォリオを覆すようなモデルポートフォリオになるとは考えにくい)、現在のGPIFの基本ポートフォリオをモデルポートフォリオとして想定したようです。

乖離許容幅が大きいのは、円滑な変更のため

インターネット上の反応を見ていると国内債券の乖離許容幅±30.0%などの大きな幅を持った乖離許容幅に驚きの声も上がっていましたが、妥当な水準だと思います。

積立金等の運用の基本方針の改正(基本ポートフォリオの見直し)【説明資料】(H27.2.25)にも以下のように書いてあり、先に挙げた「年金制度一元化への円滑な移行」と合わせて考えると妥当な仕組みです。今の時点やモデルポートフォリオ採用時の急激な変更は、年金運用としては歓迎できません。
「基本ポートフォリオの見直しに伴い資産の大幅な移動が必要であることから、当面、乖離許容幅を超過することがある。当該乖離許容幅については、移行期間中の暫定値とし、必要に応じ、縮小に向けて見直しを行う。



おまけ1: 地方公務員共済組合連合会の基本ポートフォリオ

2015年2月26日時点の地方公務員共済組合連合会の基本ポートフォリオは以下の通り。
地方公務員共済組合連合会 基本ポートフォリオ
長期給付積立金に関する基本運用方針


おまけ2: 日本私立学校振興・共済事業団の基本ポートフォリオ

日本私立学校振興・共済事業団の基本ポートフォリオは以下の通り。GPIFの基本ポートフォリオ変更の1か月後の11月30日にややリスク高めの基本ポートフォリオになっています。
日本私立学校振興・共済事業団 基本ポートフォリオ
基本ポートフォリオの見直しについて(平成26年11月30日変更)



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