※http://www.fsa.gov.uk/より
お金に関する知識や活用能力として金融リテラシー(Financial Literacy)という用語が使われていましたが、イギリスをはじめとしてアメリカなどでも金融ケイパビリティ(Financial Capability)という用語が使われ出しているようです。
Literacyだと処理能力や知識といったニュアンスが強いので、活用できることが大事という視点からより適切なCapabilityに変わったというところでしょうか。
前回の金融リテラシーとは何かでも紹介した知るぽると(金融中央広報委員会)の金融教育・消費者教育には金融リテラシー・マップなどと一緒に、これらのイギリスやアメリカの取り組みに関するレポートも格納されています。
⇒普通の人はこれを読む必要性は全くありませんが、金融リテラシーについて興味のある人には面白いレポートだと思います。
以下はその中で紹介されていた、イギリスのFSAが2008年に発行したFinancial Capability: A Behavioural Economics Perspectiveというペーパーに書かれている文言です。
In this context, the authors conclude that financial capability initiatives which are designed to inform and educate should be expected to have a positive but modest impact.
The FSA recognises that achieving widespread be havioural change will be a long process due to deep seated behavioural biases
金融ケイパビリティの生みの親であるイギリスのFSAが、「情報提供や教育といったイニシアチブでは効果はあるけど弱い」として「行動バイアスが深く浸透しているから長い期間かかるだろう」と言っているのが面白い。
お役所の動きだと、「情報提供して終わり」ということが大概ですが、それに大きく疑問を投げかけています。短期的な目先の成果を求めずに是非とも長期的にやってほしいものです。
また、"white house financial capability"などでGoogle検索すると、ホワイトハウスの公式サイトやアメリカ政府関係の公式サイトにて数多くFinancial Capabilityが取り上げられています(面白いことに「National Financial Capability Month」なんてのも設けていました)。
金融リテラシー(Financial Literacy)でも金融ケイパビリティ(Financial Capability)のどちらでもいいのですが、この金融ケイパビリティ(Financial Capability)という概念が出てきたところの議論は本質的な部分なので、この分野に関係する人は是非とも理解していただきたいと思う。
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