
何を言っているのやら……という話ですが、そういう話です。
良いインデックスファンド(ETF含む)とは何だろう。
ファンド運用の視点から見た「良いインデックスファンド」
ファンド運用の視点だと、トラッキングエラーが小さいことが良いインデックスファンドの条件となるでしょう。インデックスに連動することが目的ですからインデックスについていくことが大事です。例えインデックスが上がっても下がっても連動を目指します。指数が大幅に銘柄を入れ替えてインデックスがとんでもないことになったとしても、それに連動することが大事です。
投資家の視点から見た「良いインデックスファンド」
運用視点からは「トラッキングエラーが少ないファンドが良いインデックスファンド」としました。しかし、投資家視点で同じとは限らなさそうです、
低コストのバイ&ホールド国際分散投資派の投資家
「どの国や銘柄が素晴らしいパフォーマンスを残すかはわからない。タイミングを見計らってうまく儲けることも難しい。アクティブ運用でパッシブ運用に勝ちにくい。だから国際分散投資でバイ&ホールドだ。そして保有コストは確実にマイナスリターンだから低コストがいい」というような投資家を考えます。この投資家にとって、インデックスへの連動はあまり重要でありません。
インデックスに連動という条件はなく、大事なのは低コストな分散投資です。仮にインデックスに連動しなくてもしっかりと分散されていれば良いのです。
例えば、「東証のみならず日本の新興市場も含めて値嵩株や時価総額が大きい銘柄が大きなウェイトを占めることなく業種の偏りも小さいバイ&ホールドの低コストパッシブファンド」があれば、連動を目指すインデックスは設定されていなくても、上のような投資家は投資するかもしれません。
インデックス投資家と言われる人でも、何故インデックスファンドに投資するのかと考えた時、「広く分散されていて」「売買回転率が低く」「コストが低い」という理由だったりしないでしょうか?
もしそうであれば、実はインデックスファンドはその投資法に必要な要素ではなく、別の「広く分散されていて」「売買回転率が低く」「コストが低い」があれば、そちらでも構わないとなりそうです。
よくわからなくなってきたので、まとめましょう。
結局何が言いたいのか
「そんなこと言っても現実として、広く分散されていて売買回転率が低くてコストが低いファンドを探すとインデックスファンドに行きつくじゃないか。結局はインデックスファンドを使ったインデックス投資じゃないか」という声もあるかもしれません。確かに現実的にはインデックスファンドを使った投資になります。
今回のエントリーのポイントは、このインデックスファンドへのこだわりの違いが、インデックス投資家間でのインデックスファンドの評価の差の要因ではないかということです。
インデックスファンドへ投資するからにはインデックスファンドはベンチマークとのトラッキングエラーが小さいことが大事と考える投資家であれば、「ファンドAはリターンが高かったが、これはトラッキングエラーだ。ダメだ」となるかもしれません。
しかし、広く分散されていて売買回転率が低くてコストが低いファンドとしてインデックスファンドを選んでいる投資家であれば、「ちゃんと分散投資した結果、インデックスより少しパフォーマンス良くなってしまっただけで問題ない。むしろ結果としてOK。」かもしれません。
余談: インデックスへ連動することの重要性は?
低コストのバイ&ホールド国際分散投資にとって、インデックスファンドのインデックスへの連動が必ずしも重要でないという話はしました。しかし、インデックスファンドのトラッキングエラーが大きくていいということにはなりません。インデックス運用をするファンドを利用する投資家は他にもいます。
私のようなざっくりベースの個人投資家ではなく、厳密な運用をしている機関投資家などは数bpの世界でのトラッキングを重要視していることがあります。彼らにとっては自分達で投資アセットを決めてその実現ツールとしてインデックス運用を使っているのですから、そこで大きなトラッキングエラーが発生されたら堪ったものではありません。
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