日本時間で1月15日の午後6時頃にスイスフランで大きな値動きがありました。
スイス中銀がフラン上限廃止、「持続不可能だった」 (ロイター)
発表の数分後、スイスフランは対ユーロEURCHF=EBSでパリティー(等価水準)を突破し、一時1ユーロ=0.8052フランまで上昇。その後は上げ幅を縮小し1.0255フランで取引された。
スイスフラン/日本円も115円台→162円台と大きく動いたようです。
これほど大きく動くとスイスフラン騒動で大儲けした人と大損した人の阿鼻叫喚の叫びまとめ #fxとまとめられているようにFX(外国為替証拠金取引)で大儲けした人も大損した人もいるようです。
さて、ここから考えられることは何かあるでしょうか。ちょっと考えてみます。
FXは怖い
一番シンプルな反応でしょうか。大損して元本がなくなるどころか数千万円も借金を追うような人が出ているという話を聞けば怖いと思う人がいても仕方ない。暴騰や暴落でストップロスは効かない
通常の値動きであれば、ストップロスに触れれば決済されます。しかし、今回のスイスフランのように急激に暴騰した時には、いきなりストップロス以上に値が飛んでしまったり、さらにその後も一方的な展開でストップロスの注文が約定しないままに損失が拡大してしまうということがあります。ストップロスは便利な機能ですが、暴騰/暴落時に必ずしも発動するとは思わない方が良いでしょう。
レバレッジを低く
今回のスイスフランの値動きは急激でしたが、それでもレバレッジを掛けずに投資していれば元本の大部分は残りました。しかし、FXは通常レバレッジを掛けてやるものですから、大きくやられた人はそれでやられています。今回のような事態への対策としてはレバレッジを低くすることですが、今回の件で耐えようとするとレバレッジ2倍程度となってしまい、これだとFXの魅力は薄くなるか・・・
●大損同様に大儲けの可能性もあるんだから
今回の件で大損した人もいますが、逆のポジションを取って大儲けした人もいます。一発退場のリスクはあれど、同様に一攫千金チャンスもあると考えてFXをやるか。政策に支えられた通貨、ペアに注意?
今回のスイスフランはスイスの中央銀行であるスイス国立銀行が無制限に介入するという政策があってEUR/CHF=1.2で防衛されていました。その政策の突然の撤廃を受けてのスイスフラン暴騰です。ある政策によって形成されている為替レートの場合、その政策が変わってしまうと一気に行く…ということが起こりえるので、そういう通貨には手を出さないとするか。
私はもうFX取引からは手を引いていますが(少しだけ口座に残っている)、このような事例はFXに限らず投資において突発的な暴騰/暴落をどう考えるかといういいケーススタディになります。
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例えば、日本は異次元の金融緩和によって円が非常に安くなっています。
これを通常の金融政策に変えるだけでも為替レートがワープするかも知れません。
FXのみならず、住宅ローンや事業用資金を外貨で借りる行動もやめないと、企業や債務者までもが突然死しそうな気がします。