
すでにいくつかのインデックス投資ブログで取り上げられていますが、三菱UFJ投信のeMAXISからeMAXIS国内物価連動国債インデックスが登場するようです。
2014年11月6日設定で、連動を目指す指数はNOMURA 物価連動国債インデックス(フロアあり)、信託報酬は0.4%(税抜き)です。
- インフレに有利なeMAXIS国内物価連動国債インデックスが登場します (高配当ETFで戦略的インデックス投資日記)
- 祝!!eMAXISイリーズより初の物価連動国債インデックスが登場 (cubの日記 コツコツ投資で2千万貯めました)
- eMAXIS国内物価連動国債インデックスが11月6日より登場 (インデックス投資日記@川崎)
- eMAXISシリーズに国内物価連動国債インデックスが登場 (梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)
- 低コストインデックスファンドで初! eMAXIS国内物価連動国債インデックスを11/6に設定 (マネーの作法)
- eMAXISシリーズから「eMAXIS 国内物価連動国債インデックス」登場! (コツコツ投資日記)
物価連動国債とは?
財務省の物価連動国債の商品設計というがページ一番わかりやすそうです。ザックり簡単にまとめると・・・
- 物価連動国債は、元金額がCPIの動向に連動して増減する(→想定元金額)
- 表面利率は固定
- 利子の額は利払時の想定元金額×表面利率
- 額面金額ではなく想定元金額で償還される
- 平成25年度以降に発行された分は、額面を下回っていた場合は額面金額で償還(フロア)
物価連動国債の注意点
物価連動国債にはいくつか注意点がありそうです。■額面金額で買えるわけではない
個人向け国債と違って、新規発行時も入札で発行価格が決まりますので、額面の金額で買えるとは限りません。
直近の第19回の入札状況がありますが、額面100円に対して発行価格は108.05円でした。(10年物価連動国債(第19回)の入札結果)
表面利率は0.1%なので、このまま10年持ち続けてインフレ率0%で元金の変動なしで償還されたとすると、108.5円→101円なので損して終わります。単純に見ると0.7%程度(0.1%という金利を考えるともう少し高い?)のインフレを見込んでる数字でしょうか。
■市中の金利変動の影響を受ける
元金は物価に応じて変動しますが、利率は固定ですので、当然に市中の金利が上がれば債券価格は下がりますし、市中の金利が下がれば債券価格は上がります。
■「物価連動債=インフレに強い」は誤解を招きかねないかも
インフレ対策として物価連動債が取り上げられることがありますが、これは少し危ない表現だと思います。
上にも書いたように第19回物価連動国債の発行価格は大幅に額面額を上回りました。これは、「将来がある程度のインフレになる→だから物価連動国債の想定元金額も上がるだろう→少し高めに買っておいても儲かるだろう」というインフレ予想があるからです。
つまり、将来にインフレが予想されている場合には、それは債券価格に織り込み済みであり、予想通りのインフレになったとしても儲かるわけではないと言えます。
仮にインフレであっても予想を下回る程度の場合は、通常の債券に負けかねません。あくまで予想されていたインフレ率よりもインフレ率が高くなった時、通常の債券よりも儲かるのが物価連動債です。
「インフレに強い」は間違いとは言えませんが、ちょっと誤解を招きかねない表現かもしれません。
NOMURA物価連動国債インデックス
NOMURA物価連動国債インデックスに関してはさすがに指数提供元である野村が分かりやすい。【 国内債券 】2013年10月から発行再開される物価連動国債のNOMURA物価連動国債インデックスへの組み入れについてにわかりやすい説明がありました。
eMAXIS国内物価連動国債インデックスはNOMURA物価連動国債インデックス(フロアあり)に連動するということですので、総合指数のサブインデックスになります。
そして、この説明を見る限りは、NOMURA物価連動国債インデックス(フロアあり)は元本保証(フロア)のある第17回及びそれ以降の債券が対象ということでしょうか。
【関連コンテンツ】