コツコツと日々の稼ぎの中から投資資金を捻出してバイ&ホールドのインデックス投資に対する懸念(批判?)として、「いざ取り崩す時に暴落したらどうするの?」というものがあります。
結論から言うと「気にするな」です。
インデックス投資の基本さえ守れていれば、問題なしです。
取り崩す時というのは、だいたいは定年で引退して収入がなくなる/激減するあたりでしょう。(アーリーリタイアという可能性もあり)
そして、先の批判を具体的に言うと「65歳時点で5000万円まで資産を増やしたが、そこでリーマンショックのような暴落が来たらせっかく増えた資金が減っちゃって…」という話です。
しかし、そのタイミングで暴落が来てもほとんど問題無し、ノープロブレム、モーマンタイ、マイペンライです。
リスク許容度というものがあってだな・・・
このブログでもセミナーでも、投資プロセス決定の初期の重要な要素として取り上げていますが、インデックス投資の基本中の基本はリスク許容度の範囲内で投資することです。(別にインデックス投資に限らない)※参考1:投資する時に考える順番はリスクが最優先
※参考2:横浜サカエ塾セミナー「こんなにも素晴らしいインデックス投資」の資料から抜粋
暴落も基本的には想定の範疇です。
「せっかく5000万円まで増やしてもリーマンショックのような暴落が来ると半分以下に減っちゃう…」みたいな主張もありますが違います。
ちゃんとインデックス投資をしていれば、リスク許容度に合わせて投資をしています。リタイヤ期が近くて暴落が来たら困るのであればリスク許容度が下がっているわけで、低リスク資産や安全資産の割合が増えているはずです。(※例えば、インデックス投資ブロガー界ではランドマーク的な存在の水瀬ケンイチ氏は年齢が10歳上がる毎に債券比率を10%増やしています → 参考)
つまり、リーマンショックのような暴落が来ても「株式50%、国内債券30%、安全資産20%」みたいなポートフォリオだったりするわけです。これなら株式が-60%になっても資産全体では70%は残っていることになります。
そのようなことを折り込んでポートフォリオを作っているはずなのですから、暴落が来た時には「暴落は折り込み済みで…」とアナリスト気取りで「折り込み済み」という言葉を使ってみてもいいでしょう。
そもそも一括で換金しない
これも当たり前の話ですが、リタイアした瞬間にリスク資産を全部解約して預金にするわけではありません。住宅ローンの繰り上げ返済やちょっとした記念旅行などでいくばくかを使うことはあっても、徐々に取り崩していくのが一般的でしょう。そう考える、とリーマンショックのような暴落が来ても大して恐れることはありません。一時的に資金が減少しますが、そこで取り崩すのはわずかです。
例えば、先の「5000万円の資金の半分を占める株式が6割毀損して3500万円まで減ってしまった。」というケースだったとしても、月平均15万円の取り崩しなら1年で180万円、2年でも360万円です、3年でも540万円。
リーマンショックを例にしたついでなので、その後も追いかけてみるとリーマンショック後に時間はかかりましたが株価は大きく回復しています。
全世界株式インデックスであるMSCI All Country World Index(ACWI)を円建で見ても今現在ではリーマンショック前の高値を更新しています。
低迷時の取り崩しによって多少元本の毀損が大きくなっていますが、それほど大きな問題にはなりません。つまり、リタイア時にリーマンショックのような暴落があっても問題なかったということです。
今後の暴落がリーマンショックとそのあとの回復と全く同じように動くとは思いませんが、基本的には一時の暴落がリタイア時に重なることは問題ないと言えるでしょう。(-95%のような想定以上の大幅下落や、市場がいつまでたったも回復しないというような話の場合は別)
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それならば、バランス型1本というのは融通性がないですよね、やっぱり。