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「がんになった時にまとまったお金が振り込まれて助かった。だからがん保険には入っておくべき」
「Aというタイプの金融商品で儲かった。だからAはいい。」
「Xというパターンは起こり得る。その時にはBがお得/有利だからBが悪いとはいえない」

よくあるテンプレートです。

保険金を受け取れるような困った事例が発生したストーリーを話して、「保険に加入しましょう」と薦めるのはベタな保険営業の展開です。

投資の話では下落相場があると「預金が正しかった」などという言説もよくあります。
私のブログの中で藤沢数希氏を取り上げ、比較的注目を集めた都合がよい期間を選んだデータに騙されるなでも書きましたが、ある時点での結果を持って過去の判断の良し悪しを語るのは愚かです。(その過去の時点で将来に起こる事象を予見できていたなら別)

【ある日】
Xさんは今、競馬場の最終レース前で100万円の現金がある。この100万円は事業資金であり来月に支払いに充てる予定の資金である。これがなくなると支払いできない。さて応援している馬の単勝馬券を買いたいが買うべきか…

→結果的にその馬が勝ち単勝は10倍だった。100万円全部で単勝を買っていたXさんは大儲け。


では、時間の針を巻き戻して、Xさんは馬券を買うべきだったでしょうか?
また、馬券で短時間で+900%のリターンをたたき出したという実績があるから、「馬券購入は素晴らしい投資法」と言っていいのでしょうか?


上の競馬の話でも保険でも投資でも同じですが、
    • ある限定的な事例を持って、一般的な良し悪しを語るのは愚かです
    • 確率や期待値を無視して「AもBもあり得るから、どちらがいいとは言えない」みたいに言うのも愚かです(宝くじが当たる場合も外れる場合もあるから、宝くじを買うのと買わないのとどちらが有効な投資法かは判断できないみたいに)


このような確率や期待値を無視して語られるケースはよくありますが、そんな稚拙な話には騙されないようにしましょう。



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