オイ。チョットマテ…という記事を見つけました。

薬剤師が教えてくれた医療費を削減する意外な方法 --- 東猴 史紘 (agora)

結論から言うと、病院の診察代や薬局での薬の支払いを窓口で一旦全額支払ってもらうようにすることだ。そして払った分は後で市役所に領収書を持っていけば還付してもらえるようにする体制にすれば医療費が削減できるのではないかということだ。

具体的に子ども医療と高齢者医療の2つを例に説明する。まず医療費が一部無料である子ども医療(市町村によっては年齢や学年で分けている場合もある為一律ではない)に関する提案は以下のようになる。

(現状)
診察代無料、薬無料なのでお財布を持たずに病院に行ける。

(提案)
一旦現金で診察代や薬代を支払ってもらう。その後、市役所等管轄の役所に領収書を持っていけば代金を還付してもらえる。

次に、高齢者の医療費についての提案は以下である。

(現状)
見かけ上の所得に応じて1割〜3割を窓口で負担する。

(提案)
現状1割負担の人を2割負担に引き上げる。窓口では3割負担してもらい、市役所等に領収書を持って行けば差額の1割を還付する。

何を言っているんだ…という話です。

初期負担が厳しい人は医者にかかれない

昔からある話でそもそもお金がなくて病院になかなか書かれないという人すらいます。
金融広報中央委員会が発表した2013年の「家計の金融動向に関する世論調査」によると、30代の2人以上の世帯で「貯蓄がない」と答えた世帯の割合は30.2%です。(1人世帯はそれ以上)
ワーキングプアで働いてもなかなか貯蓄がなく、その中で子どもが病気になって病院に通ったら窓口で金を払え、しかも還付を受けたければ市役所まで領収書を持ってこい……
ワーキングプアの人たちは休みにくい人などもおり、市役所に領収書を持っていくことすら手間な人たちもいます。高齢者にいたっては市役所まで出向くことすら大変という人もいるでしょう。

彼らに初期負担させる…というのはそう簡単ではありません。

仮に高齢者で市役所に行くのが大変な人は病院の窓口清算可能とすとすると、その線引き水準が大問題。「あなたは足を引きずっているけど市役所まで行け。あなたは窓口でOK。」
そもそも体に何かしらの問題があるから病院に来ているわけで、このギリギリの見極めを誰がどうやるかでも大いにもめそうです。

救急が大変

また、救急時の扱いもどうしましょう?
子どもが大けがをしたから救急で手術から入院…となると先払いする医療費も結構な額になります。先に上げたような貯蓄のない世帯だと払えない人もいるだろうし、そうすると子どもがけがをしたり病気になっても病院に連れていけないという世帯も出かねません。
この対策として「救急は窓口払いなしでOK」とする手もあるかもしれませんが、そうすると通常診療での一時払いを嫌がって、通常診療でいいのにもかかわらず救急車を呼ぶ人も出てくるでしょう。
ただでさえ救急でのたらい回しなどとも呼ばれる問題があるのに救急に人が集まるという良くないことになります。

そもそも国民の権利行使を阻害しようという発想がクソ

一旦現金で支払う必要があることと市役所等に領収書を持っていかなくてはならないという2重の精神的負担を強いることで、本当に重症でない限り受診を控えるようになる
また、実際に現金で支払っても、少額の診察代であれば市役所に行くのが面倒で還付しに来ない人も一定数いる
保険料を払っていて被保険者としての権利を保有する人たちに対して、その権利の正当な行使を不便にすることによって妨害しようとする発想がダメです。
民間の保険会社が支払い保険金を減らしたいからといって、保険者からの請求手続きを多くの人があきらめざるを得ないようなものすごく複雑怪奇にする行為は正当化されることではないでしょう。

このような行為を国民のために存在するための国家が正当な権利を持つ国民に対して行うということはなおさら正当性がありません。


医療費に限らず、国家財政が厳しいからといって国民が給付を受けるべき権利があるものの手続きを複雑化させてそれをあきらめさせようという発想はクソです。


元国会議員秘書はこのあたりをどう考えているのだろう。




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