勝者

時々、投資において「勝つ」という表現を見かけることがあります。
この表現で気になるのは、「何をもって勝ちと言う?」という点です。


◆儲かっている = 絶対値で利益が出ている

まずは投資で利益が出ていれば「投資で勝っている」とする考え方です。しかし、この場合は元本保証のある預金なら常に勝ちに入ってしまうという難しさがあります。


◆リスクを取らない人(預金のみの人)より儲かっている

この考え方もよく見ます。投資をしている人と投資をしていない人の会話でありがちです。投資していない人の質問として「お前、投資しているらしいけど勝って(儲かって)いるの?」というようなものがあります。
これは自分(預金のみ)よりも増えているのかが強く意識されている質問です。


◆平均的な投資家より儲かっている

2番目の考え方でも納得できないところがあります。預金の金利が0.0x%〜という時にこれを上回りさえすれば勝ちなのか…というと何か違和感があります。
そこで考えられるのが、平均的な投資家より儲かっているかです。平均的な投資家が+5%ならそれを上回れば勝ち、平均的な投資家が-10%ならそれを上回れば勝ち。
ただし、この方法も「損を出しているのにベンチマークに勝っているから投資で勝っていると言えるのか」というツッコミにさらされます。


◆シャープレシオで比較する

世間一般では使わないでしょうが、投資の世界の中にいる人たちでは使いがちな指標ではないでしょうか。
    • シャープレシオ = ファンドの超過リターン÷リスク
「低リスクでいい感じにリターンをあげている巧い人よりも、ハイリスクハイリターンな商品のアセットだったからリターンが高くなっただけの奴が勝ちといわれても釈然としない」というところからリスクを考慮してシャープレシオを使う感じでしょうか。
ただ、世間一般の感覚では「そう巧いとは言ってもさ・・・やっぱり稼いだもん勝ちだよ」という声もでそうです。
インフォメーションレシオや私が参加しているポートフォリオの達人も計算式は少し違いますが、リターンだけではなくリスクを見ようという意味では同種でしょう。


書いていて、そもそも「投資で勝つ」「投資で負ける」という言葉が乱暴な表現過ぎる、という思いもありますが、何をもって投資で勝つとするのかは各自によって違うと思いますので、自分が投資するにあたって「自分にとって投資で勝つ(儲ける)とはどういうことをしっかりと定義した方がいいのではないかと思った次第。



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