「いつかはゆかし」を提供するアブラハム・プライベートバンクの行政処分の件の続きです。

商取引等監視委員会の指摘では、無免許での商品販売各種誇大広告損失補填(利益供与)が問題として指摘されました。

これを受けて、いろいろと不安に思う契約者はいるでしょう。
特にアブラハム社の高岡社長などは「現在、アブラハム行政処分の報道が出た後も、お客様の解約は非常にわずかです。当社に対する期待が高いのを感じております。」と何をふざけたなことを…というようなコメントをしております。(参考:崩れゆくアブラハムプライベートバンクの主張)



今回はこの行政処分の内容を受けて「いつかはゆかし」を止めたいと思った時に契約者のお金はどれだけ返ってくるのか考えてみたい。

ポイントとなるのは、「いつかはゆかし」とはハンサードのアスパイアという商品の紹介である点です。アブラハム社「いつかはゆかし」申込者にこの商品を推奨して申し込ませることによってハンサードから手数料を貰っていました。(同時に顧客から資産残高×年率0.945%の手数料)
つまり、顧客の資金はハンサードとの契約によって縛られています。

そして、その契約の中で問題なのは初期ユニット積立期間での解約は全額没収(長期積立の場合は24か月)というルールです。「いつかはゆかし」は2012年10月と1年前からのサービス開始なので、一番最初に「いつかはゆかし」に申し込んでしまった人でも初期ユニット積立期間中です。
つまり、このまま普通に解約すると積み立てたお金は1円も返ってきません。(鋭意サポートするというアブラハムもそのように回答しているもよう)

もちろん、真っ当に契約したのではなく「販売ライセンスもなく誇大な広告でアブラハム社が契約させたのだからおかしい」という主張はあるでしょうし、行政処分にまでなっている以上、この主張は認められる可能性は高く、アブラハムに支払った手数料(初期会費19800円+年間手数料)は取り返せる可能性も高いでしょう。

しかし、あくまで善意の第三者として契約しているハンサードから取り返すのはそう簡単ではないと思われます。本当に何も知らなかった善意の第三者であるかは怪しいが、そうではないという証拠がないとアブラハムと同じ穴の狢というのは難しいし、簡単に返金しろとも言えないでしょう。
また、海外モノであり日本の方の及ばない範囲でもあるので、ハンサードから取り返すのはそう簡単ではなさそうです。

「いつかはゆかし」の契約自体が無効として、アブラハム社に契約以前の状態に戻す義務があるとして、「ハンサードから取り返せる/取り返せない関係なく顧客にはアブラハム社の責任において全額を払い戻させる」というような判断があってもいいようにも思うが…
この辺りはどうなるか分かりません。


以下が私の予測のまとめですが、どうなることか。
・アブラハム社が取った手数料(19,800円+年間手数料)は取り返せそう
・ハンサードにある投資した資金を取り返すのはそう簡単ではなさそう
  ・ハンサードが善意の第三者でないとする
  ・アブラハム社の責任において顧客に返金させる


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