先日の「いつかはゆかし」のアブラハム・プライベートバンクに行政処分勧告の続報が入ってきました。

証券取引等監視委員会の正式な発表がありました。
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アブラハム・プライベートバンク株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

この内容がかなり踏み込んだ内容になっています。

遅くとも平成22年8月から同25年5月末までの間、海外ファンドの募集又は私募の取扱いを行い、少なくとも、2,792顧客が海外ファンドを2,892件取得している状況が認められた。
顧客とファンド取得件数を1件単位で開示しています。

顧客による海外ファンドの取得に関しては、その大部分について、当社の取締役が自ら株主となって国外に設立したSagacious Trend International Co.,Ltd.(以下「STI」という。)が、海外ファンドの発行者、又は海外ファンドの発行者から委託を受けている運用会社との間の委託契約に基づき、当社顧客による海外ファンドの購入額に応じた報酬を受領しているとともに、STIが報酬を受領する都度、当社の100%親会社であるアブラハム・グループ・ホールディングス株式会社(以下「AGH」という。)において、当該報酬と同額の債権がSTIに対して計上されている。
一部ですでに言われていたSageciousを経由した報酬取得スキームが明確に書かれています。

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証券取引等監視委員会の資料より


2番目の「著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為」においてもタコ殴りが続きます。

国内投信会社の積立商品と比較したとする雑誌広告の有名なグラフがありましたが、そこで「いつかはゆかし」が高々に誇っていた年15.34%なんて助言したことも顧客が取得した事実すらも無いと全否定です。
業界最安値宣言も、さらに安いサービスを認識しながら嘘ついてたと全否定。
「金融機関や運用会社から販売手数料等はもらっていません。」は当然ハンサードから迂回して報酬を受け取っていたと一刀両断。



これだけでも今までの疑惑がほぼ120%取り上げられた話ですが、証券取引等監視委員会はさらに一撃を加えています
(3)顧客の利益に追加するため財産上の利益を提供する行為

当社は、平成23年3月、投資顧問契約を締結した顧客から、過去実績から想定された投資実績に遠く及ばない等の理由で、当社が請求した助言報酬の免除等の依頼を受けた。

これを受け、当社は、当該顧客に対し、平成21年10月から同23年9月までの2年分に相当する助言報酬計9,397,882円を全額免除した。
これも完全にやってはいかん話ですね。



アブラハム・プライベートバンク株式会社は当然プレスリリースを出しています。
証券取引等監視委員会による行政処分の勧告について
弊社では平素より法令遵守に努めてまいりましたが、平成25年6月4日を基準日とした証券取引等監視委員会における検査の結果、証券取引等監視委員会により内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、行政処分等の適切な措置を講ずるよう勧告がなされました。
法令遵守を徹底し、ビジネスモデル特許を申請していたにも関わらず、誠に残念ながら、弊社のビジネスモデルに関して当局と見解が異なりましたので、この度の検査結果を厳粛に受け止め、改めて速やかに業務改善を行い、一層の内部管理体制の強化に努める所存でございます。またその他の指摘についても真摯に受け止め、業務改善して参ります。
法令順守に努めていたが見解の相違ということで、事実は認めるがそれが法令違反だとは思っていなかったという主張です。

資金迂回のスキームなんて企業設計とかと同じだと思いますし、損失補填で法令順守とは・・・



次回予告:【「いつかはゆかし」を推奨した方々】 (続報が無ければ)


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