「TPPのISD条項の違憲性」という川口創氏の大変興味深い主張がありました。
●BLOGOS版
●オリジナル
TPPの重大な問題点としてISD条項を挙げ、ISD条項とは司法主権の売り渡しで問題であり、それを今進めようとする政府は悪いという主張です。
デジャヴでしょうか。
TPP交渉参加が取りざたされた時にも同じような主張がありましたが、
ISD条項なんてものは一万年と二千年何十年も前からとっくに締結済みです。
●参考:経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA) (経済産業省)
1978年に発効済みの対エジプトの投資協定において投資家対国家間の紛争解決条項(ISD条項)は含まれています。
以下は日本・エジプト間のIIA(投資協定)における投資家対国家間の紛争解決条項の章です。
●参考:投資の奨励及び相互保護に関する日本国とエジプト・アラブ共和国との間の協定
ISD条項なんてものは35年も昔に発効済みで、すでに25のEPAやIIAで諸外国とISD条項を含んだ条約が締結されています。
TPPを進めていたとしても「政府が今行おうとしていることは、司法主権の売り渡しです。」なんて
ISD条項が司法主権の売り渡し云々で違法だと言うなら、交渉中で未定なものなどではなく、まずは締結済みのEPAやIIAなどに対して違憲だとして批判する方が筋ででしょう。
ISD条項が違法だと声高に叫んでいるにもかかわらず、何十年の歴史もある締結済みの多くのISD条項は無視して、将来締結されるかもしれないものだけを批判する行為は非常に不思議です。
26人の部下を持つ上司が、全員が同じことをやっているにもかかわらず、25人は批判せずに特定の1人だけはそれを理由にボロクソに言うようなものです。
しかもその1人は採用候補でまだ決まっていない人です。この批判のロジックに正当性はあるのでしょうか。不思議です。
●BLOGOS版
●オリジナル
TPP交渉が極秘に進められているため、内容が不明確な部分がありますが、TPPの中には「非違反申立」やラチェット条項など問題ある条項が多く含まれていると考えられます。
とりわけ見過ごすことが出来ないのがISD条項(投資家対国家の紛争解決条項)です。
憲法に照らしてみた場合、司法権が我が国の裁判所に属するとした76条1項に反するものであり、我が国の司法主権の侵害に他なりません。
政府が今行おうとしていることは、司法主権の売り渡しです。
TPPの重大な問題点としてISD条項を挙げ、ISD条項とは司法主権の売り渡しで問題であり、それを今進めようとする政府は悪いという主張です。
デジャヴでしょうか。
TPP交渉参加が取りざたされた時にも同じような主張がありましたが、
ISD条項なんてものは
●参考:経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA) (経済産業省)
1978年に発効済みの対エジプトの投資協定において投資家対国家間の紛争解決条項(ISD条項)は含まれています。
以下は日本・エジプト間のIIA(投資協定)における投資家対国家間の紛争解決条項の章です。
各締約国は、他方の締約国の国民又は会社が行う投資から生ずる法律上の紛争を、その国民又は会社の要請があつたときは、千九百六十五年三月十八日にワシントンで作成された国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約の規定に従い、調停又は仲裁に付託することに同意する。紛争の当事者がその紛争を調停又は仲裁に付託することに同意する日の前又はその日に他方の締約国の国民又は会社が支配していたか又は支配している一方の締約国の会社は、同条約の適用上、同条約第二十五条(2)bの規定に従い、当該他方の締約国の会社として取り扱われる。調停又は仲裁のいずれがより適切な手続であるかについて意見が一致しない場合には、当事者である国民又は会社がそのいずれかを選択する権利を有する。
●参考:投資の奨励及び相互保護に関する日本国とエジプト・アラブ共和国との間の協定
ISD条項なんてものは35年も昔に発効済みで、すでに25のEPAやIIAで諸外国とISD条項を含んだ条約が締結されています。
TPPを進めていたとしても「政府が今行おうとしていることは、司法主権の売り渡しです。」なんて
ISD条項が司法主権の売り渡し云々で違法だと言うなら、交渉中で未定なものなどではなく、まずは締結済みのEPAやIIAなどに対して違憲だとして批判する方が筋ででしょう。
ISD条項が違法だと声高に叫んでいるにもかかわらず、何十年の歴史もある締結済みの多くのISD条項は無視して、将来締結されるかもしれないものだけを批判する行為は非常に不思議です。
26人の部下を持つ上司が、全員が同じことをやっているにもかかわらず、25人は批判せずに特定の1人だけはそれを理由にボロクソに言うようなものです。
しかもその1人は採用候補でまだ決まっていない人です。この批判のロジックに正当性はあるのでしょうか。不思議です。
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