※以下を読むにあたっては「アブラハム・プライベートバンクはアブラハム・グループ・ホールディングの100%子会社であること」にご留意ください
「いつかはゆかし徹底検証」の第4弾です。
今回は「アブラハム・プライベートバンクの財務・経営状況」にフォーカスします。
「いつかはゆかし」は「30年間で1億円を作ろう」というように、長期間にわたる積立投資(助言)サービスです。そうすると「いつかはゆかし」及びそれを提供するアブラハム・プライベートバンクの継続性が気になります。
ベンチャー企業に限りませんが、革新的(?)なサービスを打ち出すものの行き詰まりから「撤退」もしくは「会社がなくなる」のはよく聞く話です。
しかし、調べようとするといきなり壁にぶち当たります。サービスの内容も開示されていなければ、会社の財務状況も公開されていません。
そこで見つけた貴重な資料が、先日の「いつかはゆかし徹底検証 - 本当の投資顧問契約額はいくら?」でも紹介した日本投資顧問業協会の『投資助言・代理会員台帳』です。
実は先日のブログで取り上げた【8. 投資顧問契約契約の契約件数及び契約資産額】の上に【7. 財務状況(会員の法的性格に従い記載する】とあります。
ここにアブラハム・プライベートバンク株式会社の「営業収益」「うち投資助言報酬」「うち代理・媒介手数料」「経常損益」「当期純利益」「純資産」という貴重な情報が載っています。
また、ひとつ前の平成23年版の投資助言・代理会員台帳は以下のURLにあります。
・http://www.jiaa.or.jp/profile/pdf/jogen23/a.pdf
これで平成22年7月及び平成23年7月という2年分のアブラハム・プライベートバンクの財務状況の一端を表す数字が出そろいましたのでまとめてみました。

ベンチャーにはありがちなことですが財務状況が盤石とは言えないように見えます。
●ポイント1:純資産がマイナス
グループ会社なので単体で結論を出すのは早計ですが、単独で見た時には債務超過です。
平成22年にはすでに純資産がマイナスですが、平成23年には減収&15名の社員増という規模拡大のためか年間純損失が拡大して、純資産のマイナスが年間収益の倍近い額になっています。
●ポイント2:投資助言報酬の減少
フローに目を移すと、売上の減少、特に投資助言報酬の減少が目につきます。金額で1570.3万円、率にして42%の減収です。
先のエントリーで言及したように読み方に謎があるグラフですが、「投資助言契約額累計の推移」では累計額は右肩上がりに増えていますが、投資助言報酬は減少しています。

ベンチャーでは「売上が伸びているが赤字続き」ということは多いですが、減収というのはかなり痛手でしょう。大震災の影響も多少はあったのかもしれません。(投資信託の残高等を見ていると投資資金に対する影響は小さそうですが)
最近はマス向けの「いつかはゆかし」を立ち上げて前面に押し出していますが新しいサービスです。平成23年7月には「いつかはゆかし」は存在せず、「ゆかしスタイル」こそが投資助言サービスであったと思われます。この収益の減少を見るとなかなか思うように収益が伸びず・・・といった状況だったようにも見えます。
●おまけ:グループ全体の事業・収益構造(を見える限りで整理)
グループ全体での財務状況は分かりませんが、アブラハム・グループ・ホールディングスの事業内容のページを見ると「ゆかしスタイル」「いつかはゆかし」「海外ファンド救済センター」がアブラハム・プライベートバンクの事業とのことなので、事業状況を分かる限りで整理すると以下のようになるでしょうか。

左二つの箱の事業主体は分かりませんが、プライベートクラブ「YUCASEE(ゆかし)」は会員から料金は一切取っていないとのことですし、「海外投資新聞」「YUCASEE Media」も特に有料ではありませんので、ここから得られる収入は広告収入でしょうか。
アブラハム・グループ・ホールディングスを頂点とするグループの収益は左2つの箱の広告収入 & 右2つの箱の投資助言フィーとなりそうです。(ここに書かれていない収益源はあるかもしれません)
平成24年7月期の決算は公開情報がないので分かりませんが、どうなっているのでしょうか。
「いつかはゆかし徹底検証」の第4弾です。
今回は「アブラハム・プライベートバンクの財務・経営状況」にフォーカスします。
「いつかはゆかし」は「30年間で1億円を作ろう」というように、長期間にわたる積立投資(助言)サービスです。そうすると「いつかはゆかし」及びそれを提供するアブラハム・プライベートバンクの継続性が気になります。
ベンチャー企業に限りませんが、革新的(?)なサービスを打ち出すものの行き詰まりから「撤退」もしくは「会社がなくなる」のはよく聞く話です。
しかし、調べようとするといきなり壁にぶち当たります。サービスの内容も開示されていなければ、会社の財務状況も公開されていません。
そこで見つけた貴重な資料が、先日の「いつかはゆかし徹底検証 - 本当の投資顧問契約額はいくら?」でも紹介した日本投資顧問業協会の『投資助言・代理会員台帳』です。
実は先日のブログで取り上げた【8. 投資顧問契約契約の契約件数及び契約資産額】の上に【7. 財務状況(会員の法的性格に従い記載する】とあります。
ここにアブラハム・プライベートバンク株式会社の「営業収益」「うち投資助言報酬」「うち代理・媒介手数料」「経常損益」「当期純利益」「純資産」という貴重な情報が載っています。
また、ひとつ前の平成23年版の投資助言・代理会員台帳は以下のURLにあります。
・http://www.jiaa.or.jp/profile/pdf/jogen23/a.pdf
これで平成22年7月及び平成23年7月という2年分のアブラハム・プライベートバンクの財務状況の一端を表す数字が出そろいましたのでまとめてみました。

ベンチャーにはありがちなことですが財務状況が盤石とは言えないように見えます。
●ポイント1:純資産がマイナス
グループ会社なので単体で結論を出すのは早計ですが、単独で見た時には債務超過です。
平成22年にはすでに純資産がマイナスですが、平成23年には減収&15名の社員増という規模拡大のためか年間純損失が拡大して、純資産のマイナスが年間収益の倍近い額になっています。
●ポイント2:投資助言報酬の減少
フローに目を移すと、売上の減少、特に投資助言報酬の減少が目につきます。金額で1570.3万円、率にして42%の減収です。
先のエントリーで言及したように読み方に謎があるグラフですが、「投資助言契約額累計の推移」では累計額は右肩上がりに増えていますが、投資助言報酬は減少しています。

ベンチャーでは「売上が伸びているが赤字続き」ということは多いですが、減収というのはかなり痛手でしょう。大震災の影響も多少はあったのかもしれません。(投資信託の残高等を見ていると投資資金に対する影響は小さそうですが)
最近はマス向けの「いつかはゆかし」を立ち上げて前面に押し出していますが新しいサービスです。平成23年7月には「いつかはゆかし」は存在せず、「ゆかしスタイル」こそが投資助言サービスであったと思われます。この収益の減少を見るとなかなか思うように収益が伸びず・・・といった状況だったようにも見えます。
●おまけ:グループ全体の事業・収益構造(を見える限りで整理)
グループ全体での財務状況は分かりませんが、アブラハム・グループ・ホールディングスの事業内容のページを見ると「ゆかしスタイル」「いつかはゆかし」「海外ファンド救済センター」がアブラハム・プライベートバンクの事業とのことなので、事業状況を分かる限りで整理すると以下のようになるでしょうか。

左二つの箱の事業主体は分かりませんが、プライベートクラブ「YUCASEE(ゆかし)」は会員から料金は一切取っていないとのことですし、「海外投資新聞」「YUCASEE Media」も特に有料ではありませんので、ここから得られる収入は広告収入でしょうか。
アブラハム・グループ・ホールディングスを頂点とするグループの収益は左2つの箱の広告収入 & 右2つの箱の投資助言フィーとなりそうです。(ここに書かれていない収益源はあるかもしれません)
平成24年7月期の決算は公開情報がないので分かりませんが、どうなっているのでしょうか。
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グループ全体で見る必要はありますが、単独では債務超過でかつ、社員100名新規雇用などよく分からない事が多くあります。
憶測になりますが、「いつかはゆかし」で大逆転を狙っているのか?それとも100名社員を雇って営業に回して徹底的なセールスで乗り切るのかはよく分かりません。