パッシブ投資(インデックス投資)の有効性云々にはいろいろ肯定的/否定的な意見があります。
 ※ここではパッシブ投資(インデックス投資)=長期分散投資とします

そんなパッシブ投資(インデックス投資)、実は日本において個人投資家レベルでの歴史は浅い。
まず分散するためのツールとして有効なモノがなかったはずです。

2000年前後に国内債券、先進国株式、先進国債券といったアセットに投資するインデックスファンドが出てきました(ステートストリート外国株式インデックス、中央三井インデックスファンド、PRUマーケットパフォーマー、年金積立、等)。

とはいえ、普及は不十分で、普及が始まったのは楽天証券やイー・トレード証券が海外ETFを取り扱いだした2006-2007年以降でしょうか。2008年にはSTAMシリーズや新興国株式/債券登場があり、ここでようやくパッシブ投資(インデックス投資)をするため一般人向けツールが整ってきたように思います。このあたりがパッシブ投資(インデックス投資)の夜明けとでも言うべき時代ではないでしょうか。

 ●参考:日本のインデックス投資年表

何が言いたいか?
日本においてパッシブ投資(インデックス投資)を実践してきた人はほとんどいないということです。

パッシブ投資(インデックス投資)派を自認して長期保有を標榜している人でも実際にパッシブ投資(インデックス投資)歴10年選手という人はかなり少ないでしょう。特に2000年以前からやっているという人はかなりの強者です。

つまり、実績としてパッシブ投資(インデックス投資)で(良いも悪いも)成果を出している人はほぼ皆無と言っていいはずです。
今まではパッシブ投資(インデックス投資)の話をするときには、実際のパッシブ投資(インデックス投資)の数字ではなく、MSCI等のインデックスを使って試算していました。あくまでバーチャルな世界であって、その試算通りに投資できた人はほとんどいませんでした。


2006年-2008年頃がパッシブ投資(インデックス投資)の夜明けと言いましたが、そうするとパッシブ投資(インデックス投資)の10年選手が生まれてくるのは2010年代後半です。2000年頃に始めた先駆者たちは15年選手になっています。

こうなると、いよいよ実績ベースでのパッシブ投資(インデックス投資)の話をすることができそうです。
15年という期間は長期に足がかかっており、「長期だから損が出ててもいいんだ」のような言い訳もやりにくくなります。一方、短期的な落ち込みをものともせずに10年を超えて利益が出てくれば「ほら、インデックスは儲からない」という批判も鳴りを潜めるでしょう。

バックテストの結果で良し悪しを語るのもいいですが、実績も出てくると議論に厚みが増してきます。


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