低コストインデックスファンドシリーズとしては年金積立、SMT(旧STAM)、eMAXIS,インデックスeなどがありますが、野村のFunds-iシリーズは凄い。
 ※Funds-iの専用サイト

以前載せた信託報酬/信託財産留保額比較表を再掲しますが、カタログ上のスペックでは特別に光るものはありません。
IndexFunds

基本4資産(TOPIX,日経平均、国内債券、先進国株、先進国債券)はSMT(インデックスe,ニッセイ)にやられ、新興国株式は年金積立に負けており、信託報酬が最も安い!と誇れる水準ではありません。

しかし、低コスト運用が難しくなりがちな基本4資産以外の低コストオペレーションがFunds-iの凄さです。

インデックス投資日記@川崎でまとめられていますが、新興国株式/債券、REITの実質運用コストが非常に低い。
indexfundd_cost_kenz
※上記「インデックス投資日記@川崎」より引用

基本4資産はどの運用会社もインフラが整っているせいか信託報酬以外のコストが非常に低く、信託報酬の差がほぼそのままコストの違いになっています。

ところが私が新興国株式に投資しているeMAXISを見ても、新興国になると売買/保管料コストなどが無視できないくらいに大きくなっています。これは年金積立もSMTも同じ傾向です。

SMT、eMAXISなどは資産額が増えるにつれて信託報酬以外のコストが減り、規模のメリットが効いてきています。しかし、依然として信託報酬外コストは大きい。
規模のメリットを考える時、各ファンドはファミリーファンド形式なのでマザーファンドの資産規模が重要になります。決算時期も違うので同一時期の比較はできませんが、以下に最新の運用報告書から見た年金積立、SMT、eMAXIS,Funds-iの新興国株式マザーファンドの資産規模は以下の通り。
 ・年金積立新興国: 71億円 (2011年5月16日)
 ・SMT新興国株式: 106億円 (2011年11月10日)
 ・eMAXIS新興国株式: 89億円 (2011年5月12日)
 ・Funds-i新興国株式: 66億円 (2012年5月10日)

ベビーファンドが順調に資産を増やしていることを考えると今日現在はもっと増えているはずで、年金積立/eMAXISは1年半も昔のデータなので今とはだいぶ乖離があるかもしれません。
いずれにしてもFunds-iのマザーファンドは他と比較して相対的に小さくなっています。Funds-iが素晴らしいのはファンドの規模が小さいのに余りコストがかかっていない点です。

rennyの備忘録では実際のパフォーマンスを定点観測されていますが、ここでもFunds-i新興国株式のパフォーマンスは優秀です。(月毎の集計なので多少順位は変動しますが、資産額が増えてきた最近はかなり優秀な印象)
emerging_stock_renny
※上記「rennyの備忘録」より引用


上の結果から導かれる仮説ですが、このあたりは野村だからこそ成せるのかとも思われます。
野村というガリバーの資産運用会社であり、投資信託の純資産残高でも最大を誇る野村AMだからこそ、カストディアンの保管費用が他社より低コストで運用できる等の理由があるのかもしれません。
新興国債券や外国REITを見ても同様の傾向が見て取れます。

その営業/販売姿勢については批判的な意見を書いている野村ですが、資産運用会社としての実力は高いように見え素晴らしい。


資産の伸びは鈍いですが、新興国ものではFunds-iは有力な投資先候補でしょう。


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