先のと同じネタですが、酔っぱらいのままテキトーに作ったもので、しっかりと整理できていなかったので分かりやすく整理してみます。
まず、テーマを整理すると「海外旅行者に占める20代の割合が21.1%(2001年)→16.5%(2011年)となっているデータを持ち出して、若者が海外旅行しなくなっているという主張はデータの読み間違いである」ということです。

海外旅行者に限らず、全体に占める各年代の割合というのは人口構成比率によって大きな影響を受けます。

以下に「もしも1000人の村」だったらという単純な例を考えてみます。
X年の旅行者数に占める各年代の比率は以下の通りです。各年代共に12.5%ずつです。
sample01

それがY年になると以下のようになりました。
Sample02

20代の比率が下がって6.7%となり、他の世代は13.3%になっています。
ここで先の触れた話では12.5%→6.7%のような全海外旅行者数に占める20代の割合の数字を見て20代が海外旅行をしなくなっていると結論付けていました。しかし、そう結論に飛びついていいものでしょうか?1000人の村の人口及び海外旅行者数を見ると少し違った風景が見えてきます。
Sample04

20代の部分だけ赤字にしてありますが、面白いことが分かります。X年はどの年代も125人のうち32%の40人が海外旅行に行っていました。
Y年になると戦争か労役か分かりませんが20代の人口が極端に減って20人になっています。しかし、その20人全員が海外旅行に行っています。一方他の年代は人数は125人⇒140人と増えましたが、海外旅行者数は40人のまま変わっていません。X年には32%の人(40/125)が旅行に行っていたのに、Y年には28.6%の人(40/140)が旅行に行くとなっています。

この数字で見ると、20代全員が海外を目指すようになったのですから「20代の海外志向は強い」という結論の方が実情に近い気がします。ただ、全旅行者数に占める割合となると絶対数が小さいので20代がどんなに海外旅行をしても影響力が小さくなっているだけです。



●本題の実際の日本の海外旅行者数に移ります。
Ryokoshasu

全旅行者に占める20代の割合は21.9%(2001年)→16.5%(2011年)と減っています。
しかし、「海外旅行者数÷人口」で実際に何%が海外旅行に行っているかという「海外旅行比率」を求めてみると、20代は20.2%(2001年)→21.3%(2011年)と増えています。そして、21.3%は依然として全年代トップの海外旅行意欲です。

20代の海外旅行意欲は減衰していないのに、全海外旅行者に占める20代の海外旅行者の割合が下がっているのは1000人の村同様に人口構造の変化で説明できます。
上の表を見ればわかるように2001年と2011年で20代の人口は1755万人→1317万人と大きく減っています。絶対数が減少しているが故に全体に占める割合となると減ってしまっているというのが実情でしょう。


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