住宅を購入するか賃貸にするか…

人生やお金の話をすると結婚と共によく話題になるトピックです。

「購入vs賃貸」比較で最もよく使われるのが住宅関連費用の総支払額比較です。

生涯ずっと持家で生活した場合と賃貸の場合で、住宅関連費用の総支払額を比較して、「持ち家が有利」「賃貸が有利」「どちらとも言えない」のような結論になるのが王道路線です。
この方法は、金額という数字の物差しで比較するので非常にわかりやすい。この方法は一つありでしょう。


しかし、近年の持家/賃貸論争のポイントは違うところにありそうです。

それは、将来の不確実性が増大する中で、住居と支払いを長期間固定することへの警戒感です。


先の生涯総支払額比較では、[持家or賃貸で支払い/住み続けられる」という前提で話が進んでいました。

しかし、その前提が怪しくなってきています。

昔は終身雇用神話という根拠なき寓話が現実世界で通用する理論かのように信じられた時代がありました。ところが、現実世界ではそれが通用しないことが徐々に明らかになり、加速しています。大企業正社員でもリストラはあり得るし、昇給も確定的ではない。
住宅ローンを支払い続けられるという保証が怪しくなっています。

また、同じ住宅に住み続けられるかも怪しくなっています。今の勤務先に通える場所に家を買ってもリストラ→再就職となると次の勤務先がそこから通える/通いやすいとは限りません。昔も転勤などはありましたが、それはまだ予測しやすい話でした。


このように将来の不確実性が高まる中、住居と支払いを固定させることのリスクが大きくなっています。
生涯住み続けた場合の損得も一つの比較方法ですが、そもそも「そのシナリオが続くのか?」ということが賃貸派の思考の根底にあるのではないでしょうか。


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