株取引、7年ぶり低水準 世界でリスク回避 7〜9月、債券にマネー流出(日経)

2012年10月17日の日経に上記のような記事がありました。この記事では全体的に株式市場の現状に対してネガティブで以下のような表現が並びます。

「2012年7〜9月の売買代金は約7年ぶりの低水準に落ち込んだ。」
「投資家が価格変動リスクを極端に恐れ、株式から債券などに資産を振り向けている。」
「過去5年米国株ではほとんど利益が出なかった一方、米国債券投資は35%の利益をもたらした」
「米国では08年初めから今年10月までに累計4700億ドル弱(約37兆円)が株式投信から流出」
「1950年代以降、値上がり益を狙って積極的に株式投資する時代が続いたが、成長期待が後退し、相場低迷が長期化しそうだ」


数字については正しいとして…このようなデータを持って株式市場がダメという論調におかしなものを感じます。


●過去5年米国株ではほとんど利益が出なかった一方、米国債券投資は35%の利益をもたらした
●米国では08年初めから今年10月までに累計4700億ドル弱(約37兆円)が株式投信から流出し、

この2つのデータから「株式市場の不調を見て債券に資金を移した人の多くは失敗だっただろう」という推測ができます。

2008年1月〜2012年10月にかけて株式投信→債券投信という資金シフトが起きているとのことですが、2008年1月に全ての資金移動が行われたのではなく期間を通じての話です。
だから5年前→今という2点間のパフォーマンスの比較(株式は損益無、債券は+35%)は、この5年間の株式から債券に資金移動した投資家たちのパフォーマンスとしては意味を成しません。

株価は2009年から2012年の4年間は見事に上昇していますから、最初の1年に債券に移した人は勝ち組でしょうか。そして、4年間は株式の急激な反騰相場に債券へ資金を移してしまった残念な人たち?

2007年後半〜2008年の早いうちに債券に資金を移していた人はお見事ですが、この5年間の間に株式→債券に資金を移していたとしたら良い成果を得られているかは怪しいものです。

「長期の投資家」という観点では、下手に狼狽して感情に任せた売買してはいけないという教訓になりそうな事例です。

※参考:株式の出来高減少で誰が困るのか?違和感の強い日経新聞一面の記事 (たけなか まさはる)


【関連コンテンツ】