ETFのトップブランドであるiSharesシリーズから大きなニュースが飛び込んできました。
6本のExpense Ratio(≒信託報酬)を値下げし、4本のETFを新規設定するとのことです。そして、これらの10本をまとめてiShares Coreというシリーズを新設します。
※ブラックロックのプレスリリース:iShares to Launch Core Series ETFs for Long-Term Buy-and-Hold Investors


ブラックロックのサイトにも一覧表がアップされていましたが、変更前の名称/エクスペンス・レシオなど表に載っていなかったので、少し追加した表を作ってみました。(クリックすると拡大して開きます)
iShars_ExRatio_Change_small

米国株式ETFはTotal Stockが0.20%→0.07%と一気に引き下げられました。
外国株式ETFは全て新設ファンドで、ベンチマークが既存ファンドとは違うInvestable Market Indexとなっていますが、エクスペンス・レシオは大幅に引き下げられています。日本でも人気のエマージングマーケットは0.67%→0.18%です。
米国債券についても0.20%から0.10%前後と大きな引下げです。


ブラックロックが、このようなエクスペンス・レシオ引下げを実施した背景にはバンガードにシェアを奪われつつあるという現状があります。

MSCI Emerging Marketに連動するVWOとEEMで非常に鮮明になっていますが、バンガードのVWOが後発ながらも純資産総額でブラックロックのEEM以上の資産を集めています。
このような状況を受けてブラックロックはETFのエクスペンス・レシオ引き下げを示唆しており、今回はその具体的な内容が発表されたということです。


この引き下げの結果としてBuy&Holdの投資家が気にするのはエクスペンス・レシオのバンガードとの比較でしょう。
iSharesの10ファンドとバンガードのファンドとの比較表も作ってみました。10ファンドに全てに対して同一インデックス連動ETFがあるわけではありませんので、その場合は類似ETFを参考として載せています。(クリックすると拡大して開きます)
iShares_Vanguard_Small

iSharesの4勝5敗1分とほぼ互角の数字です。非常に面白いことになってきました。


今後もさらなるコスト競争が続いた場合(バンガードは継続的に引き下げているので続く可能性は高い)、エクスペンス・レシオを下げやすい仕組みであるバンガードの方が今後も競争をリードしていくと思われるのですが、どうなるでしょう。


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