「投資信託・投資法人に関する法制の見直しを議論するワーキング・グループ」で投資信託法制の見直しが議論されています。
その中で各投資信託のリスクを分かりやすく表示することも検討されています。

以下はWG第1回議事録からの抜粋です。
それから、商品のリスクをわかりやすく表示する工夫が考えられないかということもあるかと思います。例えば、海外の規制を参考にしますと、投資信託のボラティリティー、基準価額の変動のしやすさというものをリスクだととらえて、これを統計的に計算の上、投資家にわかりやすいように階級化して表示するといったような工夫が考えられるのではないかということが言えるかと思います。 [横尾企画官]
あと、商品のリスクをわかりやすく表示する工夫が考えられないかということで、例えば海外の規制を参考に、各投資信託のボラティリティーを階級化するということが先ほどの事務局案で示されていましたけれども、運用会社には、投資家にファンドの商品性格やリスクについて、よりわかりやすく説明・開示する工夫が求められているものと考えております。

ただ、先ほど説明がありました海外の規制を参考に、過去のボラティリティーを階級化して表示することについては、一見、投資家にとってはわかりやすいもののように思えるんですけれども、あくまでも過去の実績に基づくものであって、かえって投資家の誤解を招くおそれもあり、導入するについては注意が必要ではないかと考えております。 [投資信託協会/野村アセット 城川オブザーバー]

「海外の規制を参考」とされていますが、どうやら頭にあるのはEUのルールのようです。
そのEUのルールについては野村総研から「EUで導入された投信リスク指標と わが国への示唆」という2ページのレポートの中に表になってまとまっていました。
SRRI


従来のリスク項目を羅列した説明では、米国債もギリシャ国債も同じく「デフォルトリスクがあります」で一括りでした。各国でデフォルトリスクも違うはずですが、そのリスクの実現確率の違いは表現されていませんでした。
EU方式が万能とは全く思えませんが、少なくとも定量的リスク開示が無いよりはあった方が良いでしょう。

人気のオーストラリア国債投信のリスクを定性的に理解して投資している人もほとんどいないでしょう。日本株投信ですらどれほどのリスクがあるかを考えている人はあまりいないでしょう。
そんな彼らに対して、何らかの定性的なリスク情報提供がある方がメリットが大きいのではないでしょうか。

とはいえ、WGでの議論にもあるよう相場急変時にはリスクカテゴリーが大きく動く可能性もあるので、必ずしも有効な方法とは言えそうにありません。「格付け会社による国債の格付けのように後追いで、将来を見通す指標にならない」という声も聞かれそうです。
また、投資商品選択時にリスクカテゴリーを絶対視してしまうと、投資信託の投資先など全く考えずに過去のリターンが高い商品の中でリスクカテゴリーが低い商品を選ぶようになってしまわないか、という心配もあります。


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