前回のあまり称賛の声は聞こえないが、ひふみ投信/レオスのココが凄いの中で独立系投信について言及したので、今回はその各社の経営状況を少しチェックしてみます。

とはいっても細かいものを読むのは大変なので、まずは2008年3月末〜2011年3月末の下記項目です。
 ・営業損益
   ・営業収益
   ・営業費用/管理費
 ・経常損益
 ・純損益
dokuritsu_toshin
※全社赤字です(参考のさわかみ投信除く)
※手作業ですので数字に誤りがあるかもしれません


クローバー・アセットマネジメント、ユニオン投信、鎌倉投信、コモンズ投信の4社は営業費用/管理費に対して約4〜10%程度の営業収益であり、まだまだ利益を出すまでの道が遠い。
先に書いたレオス・キャピタルワークスはひふみ投信以外のビジネスが大きいので業績判断は難しいのですが、赤字には変わりありません。資産規模を考えると現状では他の独立系投信と大差は無いでしょう。

まだベンチャーの我慢の時期…というところであり、資金がショートする投信会社も出てきそうです。
そんな中、2011年4月1日に社長が交代したと思いきや、この6月19日にも社長交代となったクローバー・アセットマネジメントは何とか1年分の資金をファイナンスしているような状況です。個人的にはここが一番の危機的状況にある気がします。
≪※2012年6月23日23時48分更新 : 前回の社長交代は2012年ではなく2011年でした≫

リストした独立系の中で多くの資金を集めているのがセゾン投信です。セゾン投信は毎年4億円弱収益を積み増しているので、伸びがこのまま続いて営業費用/管理費が現状維持とすれば4年後の2015年3月末には黒字化できるかもしれません。



おまけ:資本金、利益剰余金、株主合計資本
dokuritsu_toshin2

これを見ると各社赤字によって資本金が失われ、それをカバーするために増資を繰り返している状況が見えます。


【関連コンテンツ】