日本の投資信託の手数料が上がっているということがいくつも報じられています。
例えば、先のエントリーで紹介した金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」の(「金融自由化以降の投信マーケットの状況と今後の課題(金子久氏)にも分かりやすいグラフが載っています。


どうして販売手数料と信託報酬が上昇しているのかという原因を考えてみると、市場の競争原理が働いているからコストが上昇するのでしょう。
「競争原理が働くなら手数料は安くなるはずだ。現に株式の売買手数料は安くなっている。顧客に対するサービス競争が行われるなら顧客のメリットが増えるはずで、投資信託の手数料も下がるはずだ。」という意見もあります。
しかし、よく考えてみるとこれは解釈が間違っています。
投資信託を設定する運用会社の顧客は証券会社や銀行といった販売会社です。
顧客である販売会社が欲しがる商品を提供するのがビジネスの王道です。販売会社が欲しがる商品は彼らが稼げる商品であり、それは手数料が高くても売れる商品です。
投資信託を買う投資家は顧客ではありません。
しかも、手数料が高ければ運用会社の取り分を増やすこともできます。信託報酬が0.4%では運用会社が取れる手数料は理論上の最大でも0.4%にすぎません。顧客にも利益を還元することを考えると0.2%取ることも大変です。
一方、信託報酬が1.5%なら顧客に1%をあげても運用会社が0.5%近くの手数料を取ることができます。
手数料が高くて売れそうな商品は、商品提供側も顧客側も美味しいWin-Winの商品です。だからそのような商品こそが開発されます。
手数料を下げさせるのは、販売会社にとっての顧客である投資家の力です。手数料が安い商品が増えるためには、投資家が「手数料が安い商品が欲しい」という要求を明確に伝えなくてはいけません。
それは手数料が安い商品を買うことです。
例えば、先のエントリーで紹介した金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」の(「金融自由化以降の投信マーケットの状況と今後の課題(金子久氏)にも分かりやすいグラフが載っています。


どうして販売手数料と信託報酬が上昇しているのかという原因を考えてみると、市場の競争原理が働いているからコストが上昇するのでしょう。
「競争原理が働くなら手数料は安くなるはずだ。現に株式の売買手数料は安くなっている。顧客に対するサービス競争が行われるなら顧客のメリットが増えるはずで、投資信託の手数料も下がるはずだ。」という意見もあります。
しかし、よく考えてみるとこれは解釈が間違っています。
投資信託を設定する運用会社の顧客は証券会社や銀行といった販売会社です。
顧客である販売会社が欲しがる商品を提供するのがビジネスの王道です。販売会社が欲しがる商品は彼らが稼げる商品であり、それは手数料が高くても売れる商品です。
投資信託を買う投資家は顧客ではありません。
しかも、手数料が高ければ運用会社の取り分を増やすこともできます。信託報酬が0.4%では運用会社が取れる手数料は理論上の最大でも0.4%にすぎません。顧客にも利益を還元することを考えると0.2%取ることも大変です。
一方、信託報酬が1.5%なら顧客に1%をあげても運用会社が0.5%近くの手数料を取ることができます。
手数料が高くて売れそうな商品は、商品提供側も顧客側も美味しいWin-Winの商品です。だからそのような商品こそが開発されます。
手数料を下げさせるのは、販売会社にとっての顧客である投資家の力です。手数料が安い商品が増えるためには、投資家が「手数料が安い商品が欲しい」という要求を明確に伝えなくてはいけません。
それは手数料が安い商品を買うことです。
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例えば、昔はアクティブ型投信が主体でしたが運用成績を争うのではなくて、金融ビックバンが起きた頃に分配型投信が登場し、これで分配金競争になります。
運用成績にしのぎを削るのではなくて、多くの分配金を出すことで顧客を喜ばせると言った「楽な運用方法」に切り替わっていったと思います。
今の通貨選択型投信は見た目はアクティブ運用に見えても目論見書を読むと元のアセットクラスのベンチマークに対する超過リターンを狙う事を書かずに「安定運用に努めます」ような曖昧な表現で、絶対型リターンを目指すような表現もありません(楽な運用方法)。
投資家サイドで投資家本位の競争とは何かを考える必要がありそうです。