先の「インフレ対策にリスクを取った投資は不要」の続きです。
多くのコメントをいただいたので少し補足をします。
(主に株式(投資信託)投資ブログなのに預金ネタに食いつきが良いいというのはどうなの?)


●預金さえしておけば全てOKではない
預金さえすればあらゆるインフレに完璧に備えられるという話ではありません。
あくまで長期分散低コスト投資と同じで、インフレ対策として預金が非常に合理的な手段ということで、インフレ対策に適しているという話です。
合理的な手段をとっても必ずしも成功するとは限りません。


●インフレ率上昇≠不動産価格上昇
インフレ対策として不動産に代表される実物資産を勧める人がいます。しかしインフレ対策に実物資産が有効とは簡単には言えません。
「インフレ率が上がると不動産価格も上がる」と考えている人は、インフレ率上昇時に全ての価格が等しく上がると考えているようにも思われます。
しかし、それは違います。
インフレ率はインフレ率算出に採用されている各品目の価格変動の合計として算出されます。

インフレ率の指標で最も代表的な消費者物価指数(CPI)のページを参照します。
この中に平成22年の指数品目及びウエイト一覧があります。
これを見ると、住居関連は全体の21.22%です(設備・修繕維持を除いた家賃/持家に限れば18.65%)。ちなみに食料は25.25%です。
食料が5%上昇して、住居が5%下落すれば、全体にはインフレ圧力がかかります。

インフレで特定品目の物価が上昇しているとは限りません。
実物資産の代表格の不動産を例に取り上げましたが、他の実物資産でも同じことが言えます。金や銀やプラチナや銅、原油やガスなど多くのコモディティもありますが、インフレになればこれらの項目が必ずしも上昇するわけではありません。
(株式インデックスの上昇が個別銘柄株価上昇を保証しないのと同じです)


●預金封鎖のような政治的圧力は別であり、他資産も同様
「ハイパーインフレになって、預金封鎖/没収されたらどうなんだ」という意見もよく聞きます。しかし、このような国家危機⇒緊急対応時の話をされるとただのインフレ率の話を越えてしまいます。
株式や債券といった証券も没収される可能性は十分に考えられます。海外の銀行/証券会社に口座を開いていても口座にアクセスできるとは限りません。


●財政危機/物資不足のインフレ下では株価は上がらない
近年のハイパーインフレと言えばジンバブエです。大統領の素晴らしい政策により極度の物資不足に陥り、ハイパーインフレに見舞われました。経済活動がマヒした状況です。
このような状況下の企業の価値が上がるとは言えません。
アジア通貨/ロシア財政危機時にもインフレ率は上がりましたが、株価は上がりませんでした。むしろ、経済危機から株価は下がりました。



◆最後に
いろいろ書きましたが、預金にも株にも不動産にもその他の手段にもインフレ対策としての欠点はあります。しかし、預金が一番欠点が少なく、インフレ対策としてだけなら一番優れている(MMFなども同じような位置)というのが私の主張です。


【関連コンテンツ】