以前のエントリーでも書きましたが、「時間分散しよう。まとまった資金を一度に入れずに分割して投入した方がよい」には異議があります。
今回は2つのケースを比較してみます。
さて、この人が世界の株式や債券に長期分散投資をする場合、一度に1000万円を投資するよりも時間分散をした方がよいのでしょうか?
さて、この人が世界の株式や債券に長期分散投資をする場合、時間分散をした方がよいのでしょうか?
ケース1との違いは、持っている投資用資金が預金か投資信託かの違いだけです。他は年齢も投資期間も金額も投資スタイルも全く同じです。(他の属性も差がないとします)
1000万円を時間分散投資するためには、一度現金化して少しずつ投資していくことになります。
ケース1とケース2で答えは一致したでしょうか?
ケース1とケース2はリスク管理という意味では同じことを聞いています。ある時点で資産価値が1000万円であれば、それが預金であれ投資信託であれ同じものです。その後のマネー行動が同じであれば、最適とされる解も同じになるはずです。
「まとまったお金は時間分散すべき説」は、ケース2のようなまとまったお金を投資済みの人に、一度解約して分散投資しろと言っているのと同じです。
ケース1で一括投資して高値掴みになることが危険ならば、ケース2も1000万円が高値リスクにさらされている点では同じですから、リスク管理の視点からはアドバイスが同じにならなくてはおかしいはずです。
合理性という観点で見た時に、時間分散に意味が無い行為です。
今回は2つのケースを比較してみます。
≪ケース1≫ ・35歳男性、65歳まで30年長期運用の予定 ・投資に回せる金融資産として預金で1000万円持っている |
さて、この人が世界の株式や債券に長期分散投資をする場合、一度に1000万円を投資するよりも時間分散をした方がよいのでしょうか?
≪ケース2≫ ・35歳男性、65歳まで30年長期運用の予定 ・投資に回せる金融資産として国際分散投資の投資信託で1000万円持っている |
さて、この人が世界の株式や債券に長期分散投資をする場合、時間分散をした方がよいのでしょうか?
ケース1との違いは、持っている投資用資金が預金か投資信託かの違いだけです。他は年齢も投資期間も金額も投資スタイルも全く同じです。(他の属性も差がないとします)
1000万円を時間分散投資するためには、一度現金化して少しずつ投資していくことになります。
ケース1とケース2で答えは一致したでしょうか?
ケース1とケース2はリスク管理という意味では同じことを聞いています。ある時点で資産価値が1000万円であれば、それが預金であれ投資信託であれ同じものです。その後のマネー行動が同じであれば、最適とされる解も同じになるはずです。
「まとまったお金は時間分散すべき説」は、ケース2のようなまとまったお金を投資済みの人に、一度解約して分散投資しろと言っているのと同じです。
ケース1で一括投資して高値掴みになることが危険ならば、ケース2も1000万円が高値リスクにさらされている点では同じですから、リスク管理の視点からはアドバイスが同じにならなくてはおかしいはずです。
合理性という観点で見た時に、時間分散に意味が無い行為です。
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ついつい食いついてしまいますがご容赦を…。
「時間分散する事」が「良い事か」「悪い事か」という議論をしようとすると、一概に言えないので最後は目的次第という事に落ち着くと思います。
なので「時間分散した方が良い」とは必ずしも言えない、という文章には同意できます。
どちらが良いのでしょうか?と聞かれれば、どっちもメリットデメリットがあると答えます。
しかし「時間分散が非合理な選択肢」かと言うと、必ずそうは言えないと思います。
時間分散というのは一定期間における購入単価を平均値に近付ける投資法ですから、リターンは小さくなりますがその分リスクは減らせます。
リスクを取ってもリターンが欲しい局面では、時間分散をするのは逆効果です。
しかしリターン(機会損失によるインカムの取り逃がしを含む)を捨ててもリスクを減らしたい場合は、やはり一定の効果があると思うのです。
無論、右肩下がりの局面でいくらリスクを減らしたとしても、損失が出る事に変わりないですが。
ある株価(もしくは指数)が直線状に右肩上がり、右肩下がりの2パターンで単純化して考えてみると、時間分散の効果はとても分かりやすいです。
右肩上がりの場合、購入のタイミングを時間分散するほど、リターンがどんどん少なくなって行きます。
逆に右肩下がりの場合、時間分散するほど損失がどんどん少なくなっていきます。
実際には株価(指数)は上がったり下がったりしますが、大局的に見て上がっているか下がっているかで、似たような結果になるはずです。
続く↓