先の分配型投信を上手く規制できるか?で書いたように、日経新聞が報じるような分配金規制は簡単ではないと思います。
その理由は先のエントリーで書いたとおりです。
しかし、今の分配型投信には大いに問題があり、そこはなんとかされるべきです。
まず分配金の仕組みを分かっていない人が相当数います。分配金は自分が信託している財産の中から返ってくるものということを知らなかったり、分配金再投資をしないと資産は増えないと思っていたり。
また、単純に元本を払い戻すことが禁止されているので、運用会社も何とか投資家から預かったお金を分配可能なお金に変換しようと躍起になっています。
配当・利金が高いハイリスク証券を買ったり、為替ヘッジやカバード・コールを利用したりして分配可能なお金に変換しようとします。そのせいで期待リターンを上げるどころか、分配原資を増やすためにはリターンを押し下げることも辞さないようなファンドすら出ています。
※参考:分配金規制がおかしな分配金システムを促進する
しかも、その複雑な仕組みのせいで、無知な投資家には分配金の妥当性判断がなおさら難しくなっています。(ハイイールド債のクーポンがX%でレアルの金利がY%で…のように)
しかし、分配金憎しといって、分配金全てを禁止しろとは思いません。そのようなファンドの特性を分かっての上で利用する人がいてもいいでしょう。
分配金のことをロクに説明しない販売側に大きな責任があります。
明らかに誤解させるような説明をする売り手もいます。また説明はしても、都合のいいところだけ強調して取り上げて、都合の悪いところはサラっと流すことが通常です。
そのような販売方法が野放しにされていることこそが問題でしょう。
下手な規制なども受けずに、そのような販売方法をできなくするように分配金とは何ぞやを分かりやすくすればいいのです。
以下は思いつきレベルですが、私が考える分配金対策です。
(1) 分配金の名称変更
分配という言葉の響きが良くない。
「利益を分配する」のように、自分が信託している財産の外から分配されてくるという印象を与えます。
自分のお金が自分に返ってくることを分配と呼ぶことが混乱の大きな要因です。
投資家自身が信託している資産の一部が戻ってくるのですから、「取崩金」という名前ではいかがでしょう。
また、「普通/特別(分配金)」という表現も会計上の概念が優先となっていて分かりにくい。特別分配金などと言うと、何も知らない人に「特別な分配金」と言うとボーナス分配金のことだと勘違いしかねません。
含み損でも分配されることが常態化されて普通のことですから、普通分配金=利益でもないでしょう。
利益分/元本分とでも呼んではどうでしょうか?
整理すると、次のようになります。
・普通分配金 ⇒ 利益分払戻金 (もしくは利益分取崩金)
・特別分配金 ⇒ 元本分払戻金 (もしくは元本分取崩金)
これでずいぶん、本質的なものと近いイメージになっているような気がします。
(2) 信託財産の取り崩しであること、取り崩し額が運用会社の裁量で決まっていること前面に出した定型説明文書を目立つように配置することを義務化
今でも分配金の金額は分配可能額の範囲内で運用会社の自由裁量で決まります。基準価額が5千円で4千円分配も可能です。
「払戻金は、投資家の皆様が信託されている財産を取り崩して払い戻す制度です。なお、その払い戻し額については基準価額を最大として運用会社の裁量で決定します。」とでも目論見書の目立つ所にデカデカと書かせればよい。販売員の説明でもこれを徹底させます。
安定した分配金を出す毎月分配型については「毎月払戻型の当ファンドは投資家の皆さまからお預かりしている財産を毎月弊社の裁量で金額を決めて払い戻します。なお、払戻金を安定して出すことを考えますので、損失が出ていても払戻金を出すことを優先します。」とでもデカデカと書かせればよい。
「分配型の投資信託は投資家の強いニーズがあるから売れているんだ」という販売側の意見を聞きます。そんなに強いニーズがあるならば、このような説明をされても揺るぐことなく、分配金の特性を知っての上で分配型投信を買うでしょう。
その理由は先のエントリーで書いたとおりです。
しかし、今の分配型投信には大いに問題があり、そこはなんとかされるべきです。
まず分配金の仕組みを分かっていない人が相当数います。分配金は自分が信託している財産の中から返ってくるものということを知らなかったり、分配金再投資をしないと資産は増えないと思っていたり。
また、単純に元本を払い戻すことが禁止されているので、運用会社も何とか投資家から預かったお金を分配可能なお金に変換しようと躍起になっています。
配当・利金が高いハイリスク証券を買ったり、為替ヘッジやカバード・コールを利用したりして分配可能なお金に変換しようとします。そのせいで期待リターンを上げるどころか、分配原資を増やすためにはリターンを押し下げることも辞さないようなファンドすら出ています。
※参考:分配金規制がおかしな分配金システムを促進する
しかも、その複雑な仕組みのせいで、無知な投資家には分配金の妥当性判断がなおさら難しくなっています。(ハイイールド債のクーポンがX%でレアルの金利がY%で…のように)
しかし、分配金憎しといって、分配金全てを禁止しろとは思いません。そのようなファンドの特性を分かっての上で利用する人がいてもいいでしょう。
分配金のことをロクに説明しない販売側に大きな責任があります。
明らかに誤解させるような説明をする売り手もいます。また説明はしても、都合のいいところだけ強調して取り上げて、都合の悪いところはサラっと流すことが通常です。
そのような販売方法が野放しにされていることこそが問題でしょう。
下手な規制なども受けずに、そのような販売方法をできなくするように分配金とは何ぞやを分かりやすくすればいいのです。
以下は思いつきレベルですが、私が考える分配金対策です。
(1) 分配金の名称変更
分配という言葉の響きが良くない。
「利益を分配する」のように、自分が信託している財産の外から分配されてくるという印象を与えます。
自分のお金が自分に返ってくることを分配と呼ぶことが混乱の大きな要因です。
投資家自身が信託している資産の一部が戻ってくるのですから、「取崩金」という名前ではいかがでしょう。
また、「普通/特別(分配金)」という表現も会計上の概念が優先となっていて分かりにくい。特別分配金などと言うと、何も知らない人に「特別な分配金」と言うとボーナス分配金のことだと勘違いしかねません。
含み損でも分配されることが常態化されて普通のことですから、普通分配金=利益でもないでしょう。
利益分/元本分とでも呼んではどうでしょうか?
整理すると、次のようになります。
・普通分配金 ⇒ 利益分払戻金 (もしくは利益分取崩金)
・特別分配金 ⇒ 元本分払戻金 (もしくは元本分取崩金)
これでずいぶん、本質的なものと近いイメージになっているような気がします。
(2) 信託財産の取り崩しであること、取り崩し額が運用会社の裁量で決まっていること前面に出した定型説明文書を目立つように配置することを義務化
今でも分配金の金額は分配可能額の範囲内で運用会社の自由裁量で決まります。基準価額が5千円で4千円分配も可能です。
「払戻金は、投資家の皆様が信託されている財産を取り崩して払い戻す制度です。なお、その払い戻し額については基準価額を最大として運用会社の裁量で決定します。」とでも目論見書の目立つ所にデカデカと書かせればよい。販売員の説明でもこれを徹底させます。
安定した分配金を出す毎月分配型については「毎月払戻型の当ファンドは投資家の皆さまからお預かりしている財産を毎月弊社の裁量で金額を決めて払い戻します。なお、払戻金を安定して出すことを考えますので、損失が出ていても払戻金を出すことを優先します。」とでもデカデカと書かせればよい。
「分配型の投資信託は投資家の強いニーズがあるから売れているんだ」という販売側の意見を聞きます。そんなに強いニーズがあるならば、このような説明をされても揺るぐことなく、分配金の特性を知っての上で分配型投信を買うでしょう。
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「損失が出ていても…」
または、
「利益が出ていなくても…」
ではなくて?